「肌をみずみずしく保つビタミンが豊富」「食物繊維はゴボウの4倍」 最強のアンチエイジング食材・あずきの超健康効果

ドクター新潮 ライフ

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小豆と米のマッチング

 小豆料理の代表格の一つは赤飯でしょう。実は、美肌の観点から小豆と米はとても優れた組み合わせといえます。米も必須アミノ酸のバランスが良いのですが、その中でリシンと呼ばれるものの含有量だけが低い。そのリシンの不足を、小豆が補ってくれるのです。

 他には、高血圧の原因となるカリウム不足を防ぐ意味でも小豆は役立ちます。カリウムが豊富な食物として知られるバナナ1本(約120グラム)に含まれるカリウムは432ミリグラムですが、小豆100グラムには1300ミリグラム含まれていますし、血液サラサラ効果のあるサポニンという成分も豊富です。

 このように、多くの健康機能性を持つ小豆に関する最大ともいえる課題は、先ほども述べたように和菓子用という“思い込み”を振り払い、いかに日々の食事に多く取り入れるかにあるといえます。いくら健康機能性に富んでいるとはいっても、恒常的にお汁粉やまんじゅうを食べるわけにはいかないでしょう。それでは、どのようにすれば小豆を日々の食卓により取り入れることができるのでしょうか。

ゆでこぼしは「もったいない」

 私がお勧めしているのが「煮小豆」です。煮小豆の大きな利点は二つあり、「小豆の栄養を丸ごと生かせること」と「日常使いできること」です。

 多くの料理本で紹介されている煮小豆の作り方は、ほとんどが「あんこ用」です。あんこにするためには、小豆の渋味や雑味を落とす必要があり、そこでいわゆるゆでこぼしが行われます。小豆の重量の4~5倍の量に相当する水でゆでて、煮立ったらゆでた水を一度捨て、また新しく水を入れて煮て、その水も捨てるという煮小豆の作り方がよく紹介されています。

 あんこ用にはこれでよいのですが、日々の料理に活用することを考えると、この煮小豆の作り方は栄養面で非常に「もったいない」。なぜなら、煮汁を捨てることによって、そこに溶け出た小豆に含まれる成分の多くも捨ててしまうことになるからです。煮汁を捨てることで、小豆に含まれる水溶性のビタミンB群やミネラルは半分から4分の1にまで減ってしまいます。冒頭で紹介したポリフェノールも、2~3割しか残りません。

 そこで私は、あんこ用は別として、普段の食事に活用するのであれば全く問題ない程度に渋味を感じさせず、かつ、小豆の栄養成分を丸ごと残したままでの煮小豆の作り方を研究してきました。それは以下の通りです。

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