「肌をみずみずしく保つビタミンが豊富」「食物繊維はゴボウの4倍」 最強のアンチエイジング食材・あずきの超健康効果

ドクター新潮 ライフ

  • ブックマーク

満腹感を得やすく低カロリー

 最近、健康長寿における腸内環境の重要性が関心を集めています。腸内環境を整えるには、人体に有益な働きをするプロバイオティクス(善玉菌)と、その餌となるプレバイオティクスの双方を摂取することが大切です。そして、食物繊維は代表的なプレバイオティクスであり、効率的に食物繊維を取るには小豆は最適といえます。

 さらに、食物繊維は食べ物が消化される過程で水分を吸収して膨らみます。つまり、食物繊維を多く含んだ小豆を食べると満腹感を得やすくなる。その上、煮ることで、小豆に含まれるデンプンが難消化性に変わり、カロリーとしてはほとんど換算されない状態になります。満腹感を得やすいと同時に低カロリー。煮小豆は格好のダイエット食材でもあるのです。

 今の季節、健康を維持するには冷え対策が欠かせませんが、小豆は冷えに対しても極めて有効です。体を冷えから守るには、体内でしっかりと栄養素を燃焼させる必要があり、そのためのエネルギーは、炭水化物が酵素によって分解されることで生じます。その際、酵素の働きを助けてくれるのがビタミンB1であり、小豆は、ビタミンB1を多く含むことで有名な豚バラ肉に匹敵するビタミンB1の含有量を誇ります。

美肌対策にも

 とりわけ女性にとっては、冷えとともに貧血対策も重要でしょう。鉄分不足による貧血が多くの女性を悩ませているため、対策としては鉄分を多く含む食品を摂取する必要があります。しかし、成人女性の1日の鉄分摂取量としては10.5~11.0ミリグラムが推奨されているものの、2019年の国民健康・栄養調査によると、実際の摂取量は平均値で7.5ミリグラムと大幅に不足しています。

 鉄分を多く含んでいることで知られる食材は、ひじき、レバー、マグロの赤身などで、中でもホウレンソウが有名でしょう。しかし、小豆はホウレンソウの2.8倍もの鉄分を含有しているのです。

 美肌対策にも小豆は適しています。髪の毛や肌のもととなるのはタンパク質であり、それが分解されてアミノ酸となり、ここから人体を構成するタンパク質が再合成されるわけですが、特に人体では生成できない九つの必須アミノ酸をバランス良く含んだ食材を取ることが重要です。小豆は、この必須アミノ酸のバランスに優れている上に、肌をみずみずしく保つビタミンB2、B6も豊富です。

次ページ:小豆と米のマッチング

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[3/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。