「肌をみずみずしく保つビタミンが豊富」「食物繊維はゴボウの4倍」 最強のアンチエイジング食材・あずきの超健康効果

ドクター新潮 ライフ

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赤ワイン以上のポリフェノール

 あんこの原料である小豆は、どうしても「甘い」という印象が強いのではないでしょうか。実際、小豆を煮ているとほんのりと甘い香りが漂ってきます。これは、小豆に含まれるマルトールという成分によるものなのですが、実は食味としては甘くはありません。ブドウ糖などが含まれてはいるものの、果物のように甘みを感じるほどには多くないからです。

 にもかかわらず、多くの人が「小豆=甘い」という認識を持っているのは、あんこにする際に砂糖が加えられるためです。繰り返しになりますが、小豆自体は、食味的には決して甘くありませんから、和菓子としてだけではなく、料理にももっと広く活用できる食材なのです。とはいえ、赤飯以外に「料理としての小豆」を思い浮かべにくい。そんな人のために、食卓に小豆を取り入れる具体的な方法を紹介したいと思いますが、その前に、どうして小豆をより日常的に食すべきなのか、小豆のすごさについて説明していきましょう。

 健康効果を発揮する小豆の代表的な成分としては、なんといっても先ほど触れたポリフェノールが挙げられます。活性酸素は体をさびさせて老化を招きますが、赤ワイン以上のポリフェノール含有量を誇るわけですから、小豆の抗酸化作用、すなわちアンチエイジング効果は絶大です。

食物繊維はゴボウの4倍超

 具体的な症状・病気に対しても、小豆のポリフェノールは素晴らしい効果を発揮します。例えば、高血圧モデルラットにおける実験では、小豆から抽出したポリフェノールが血圧上昇を抑制し、また、一旦上昇した血圧を低くしてくれるという結果が出ています。マウス実験では、急激な血糖値の上昇を小豆ポリフェノールが抑制することも判明しています。

 動物実験だけでなく人間においても、小豆ポリフェノールを多く含んだ市販の「小豆茶」を1日3缶、4週間継続して飲んでもらったところ、中性脂肪とLDL(悪玉)コレステロールの値に改善が認められました。

 ポリフェノールと並び、小豆に含まれるものとして見逃せない成分が食物繊維です。近年、「第6の栄養素」として注目されている食物繊維を豊富に含む食材としてはゴボウなどの根菜類が有名ですが、100グラムあたりの食物繊維含有量が、ゴボウは5.7グラムであるのに対して小豆は24.8グラムと実に4倍超です。

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