「大麻グミ」の次は「薬物の染み込んだ紙」にハマった20代OLの告白…口に含むと「理由もなく笑いが止まらなくなる」「目が冴えすぎて不眠にも」

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2人も飛び降り事故が起きていた「合法紙」

 再び脱法ドラッグに関心を持つようになったのは、やはりニュースがきっかけだった。昨年4月、合法紙を摂取した人がマンションから飛び降りて死亡するケースが2件相次いだという報道である。ネット記事で読みぞっとしたというが、同時に、

「そこまで効くのかと思った。LSDを使用した経験はないので俄然、興味が湧きました。もちろん死ぬリスクを負ってまで脱法ドラッグをしたいとは思いません。ただ、大麻の経験がある自分ならば大丈夫ではないかと思った。初めての人はバッドトリップしやすい傾向がある。おそらく未経験者だったからパニックに陥って飛び降りてしまったのだろうと」

 すぐには手を出さなかった。厳密に言うと手が出せなくなった。死亡例が報じられて1カ月経った5月、厚労省が死亡事故を起こした合法紙に含まれていた「1D-LSD」や「1E-LSD」を指定薬物に加え、販売や所持、使用を禁じたからである。

 事態が動いたのはそれからさらに半年ほど経過した昨年末のことだった。ふと寝る前、最近の脱法ドラックはどうなっているか気になりネットサーフィンを始めた。すると、「1D-LSD」や「1T-LSD」と同様、LSDの類似成分が含まれる「1S-LSD」の合法紙が未規制で購入可能な状態にあることを知ってしまったのである。

気づいたら部屋の中で2時間踊っていた

「それからずっと合法紙のことが頭から離れなくなってしまった。規制前の大麻グミを5袋くらい大人買いして、2カ月くらいハマり倒した時期を思い出している自分がいました。あの頃、毎週末ぼうっとキマれて楽しかったなぁと。一方、週末を一日中寝たりして無駄に過ごしてしまった後悔もあった。本当に飛び降りたくなるようなヤバい製品かもしれないし危ないからやめよう、と自制する自分と、規制される前の今がチャンスだと前向きになる自分。1週間くらい激しい葛藤が続いた結果…」

 結局、またネットで“ポチって”しまったのだ。合法紙は複数のサイトで「捕まるリスクはありません」などの触れ込みで販売していて簡単に購入できた。試しに1万5000円で5回分を購入。まずはおそるおそる一回分の半分を口に含んでみた。

 1時間経過したが何も感じない。残り半分を追加してさらに1時間経つと、徐々に変化が感じられた。

「動悸が高まってきて、心臓が躍動するのを感じました。大麻に似た感覚で、あらゆる感覚が敏感になり、光も眩しく見え、音楽も耳にじわじわと響いてくる。気分が高揚してきて楽しくなった」

 気づいたら一人で部屋の中で2時間くらい踊っていたという。空腹を感じ始めたので友人を誘って焼肉を食べに行ったが、

「味覚も冴え渡っていて美味しく感じられるのです。普段はあまり口にしない脂身にかぶりついてしまった。ずっと陽気な気分も続いて、箸が転げるだけで笑いが止まらなくなった」

 だが副作用もあった。

「4時間くらいすると効用が薄れてくるのですが、頭が冴えたままでなかなか寝付けないのです。結局朝7時まで眠れず、一睡もしないまま会社に行きました」

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