「アジア選手権で優勝」も代表選手の渡航費は“自腹”…人気急上昇でも「トレイルランニング」協会トップが頭を抱える意外な理由
テレビ中継に向けた光明も
「トレランの大会は、現在の技術では、テレビ中継ができないんです。山の不整地を走るわけですから、当然ながら中継車を走らせることはできませんし、ヘリを飛ばしても何も映らない。NHKの『グレートレース』という番組が唯一、トレランのレースを取り上げて放映してくれますが、こちらも大会後に編集したものです。それだけでもありがたいのですが、やはりもっと認知度を上げるには、箱根駅伝のように生中継で、順位などをテロップで表示しながら、選手たちの駆け引きを放映することなんだと思います」
一方で、テレビ中継に向けた“光明”もあるという。
「年々、ドローンの技術が向上していますから、以前よりは可能性は高まっていると感じます。比較的撮影しやすいコースを見つけて、そこで大会をひらけば、中継も可能なのではないかと。実は現在、テレビ局とも相談しています。もちろん、スポンサーも探さなければいけませんが……。いずれにしても、もっと競技としてのトレランを、トレランをしない皆さんにも知って貰わなければなりません。不整地の下りをトップスピードで駆け降り選手たちの様子を、ぜひ見てほしいです。そして少なくとも、日本代表選手の皆さんの、国際大会出場の際の渡航費用は協会で出せるようにはしたいですね」
トレラン同様、道はまだまだ険しいようだ。