「難読漢字」に「私立っぽい県立校」 エナジックスポーツ以前にもあった…ユニークすぎる校名の“センバツ出場校”7選

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鬼にまつわる伝承が校名の由来

 難読校名では、2017年に21世紀枠で出場した岩手・不来方も、漢字そのものはシンプルだが、予備知識なしに「こずかた」と正しく読める人は少ないはずだ。

 昔、人里を荒し回っていた鬼が神に懲らしめられ、「この地には2度と来ない」と約束した手形を岩に残した伝承に由来するという。

 部員わずか10人で甲子園に出場した同校は、“十勇士”と話題になり、1回戦で静岡に3対12と大敗も、9回に2点を返すなど、最後まで全力で戦った選手たちに、スタンドから惜しみない拍手が送られた。2025年4月から盛岡南と統合し、校名も「南昌みらい」に変わることになった。

 難読ではないが、昨年初出場の和歌山・耐久は「耐えて勝利を掴み取る」イメージと重なり、ファンの共感を呼んだ。

 幕末の1852年に創設された剣術や漢学の稽古場「耐久社」をルーツとし、学舎がいつまでも永く続き、「自学自労」の精神に満ち溢れた人材が育つようにという願いが込められていた。

 前年秋は智弁和歌山など強豪ひしめく県大会を制し、近畿大会でも「耐えて」4強入り。創部119年目で悲願の甲子園初出場を実現した。

 2021年出場の愛媛・聖カタリナ学園は、14世紀にイタリアで献身的な奉仕をした聖女カタリナに由来。前年秋の四国大会で準優勝し、創部5年目で甲子園初出場。校名にカタカナが入る高校は、沖縄・コザ(1965年)に次いで大会史上2校目(エナジックスポーツは3校目)となった。

 2022年に不可解な落選を経験した聖隷クリストファーも、今後甲子園に出場すれば、ユニークな校名が改めてクローズアップされそうだ。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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