広告ゼロ「サザエさん」を支える意外な“収入源” OPの観光地紹介で愛媛県から「440万円」

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「AC祭り」の中

 元タレントの中居正広氏の女性トラブルに関する対応を巡り、多くのスポンサーがCM放映を見合わせているフジテレビ。広告はACジャパンばかりとなり視聴者からは「AC祭り」と言われている状況だ。2月に入ってからは、国民的アニメ「サザエさん」の広告提供が「ゼロ」になってしまったが、同アニメの一部に業界の注目が集まっている。

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 スポーツ紙の芸能デスクがこう明かす。

「1月26日からアニメ『ちびまる子ちゃん』の広告提供がゼロになり、2月2日から『サザエさん』もゼロになりました。ACジャパンのCMではなく同局のドラマやバラエティー番組の番宣ばかりが放送され、視聴者から『ACすら流れない』と同情されるほどです。ただ、一部関係者の間では『サザエさん』のオープニングが話題になっています」

 2月9日放送の「サザエさん」のオープニングは「サザエでございま~す!」のあいさつから始まり、背景には愛媛県五十崎凧博物館、松山城二之丸史跡庭園、しまなみ海道サイクリング、下灘駅、マイントピア別子東平、鬼王丸、じゃこ天作り体験、かわら館、村上海賊ミュージアム、砥部焼絵付け体験、とべもりジップライン、道後温泉本館が次々と登場。サザエが気球で空を飛んだり浴衣姿で温泉を訪れたりするなど旅情たっぷり。そして、エンドロールにはオープニング協力として「愛媛県」の名がしっかりとクレジットされていた。実質的には観光誘致のPRになっている。

「『サザエさん』のオープニングでは、サザエが日本各地を楽しそうに旅行するシーンが登場します。25年前から半年ごとに全国の都道府県を1か所、ないしは2か所取り上げ、サザエが観光名所を紹介するというスタイル。サザエが紹介すると観光客が増えるという評判が広がり、放送を希望する自治体が相次いでいます。協力費として400万円から800万円を求めているそうですが、通常のCMに換算すると同じ時間尺で1億円ほどかかるため、コスパの良い“PR”として人気なんです」(フジテレビ関係者)

 こうした状況を知ったある自治体関係者は「私どもが管轄する公園は、樹木が多く噴水などSNS映えするスポットもたくさんあるため、テレビドラマのロケにもよく使われます。さらにPRを増やして観光客を増やそうと思い、フジテレビ側に問い合わせしましたが、営利的な目的が強いという判断なのかタイミングの問題なのか不明ですが、結局採用されませんでした。国民的アニメですからハードルはけっこう高いのかもしれません」と明かした。

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