「おむすび」低迷に見えたNHK朝ドラの限界 “令和の能年玲奈”の起用は無理なのか
やっぱりニューフェイスを求めたい?
もっとも、こうした起用にも事情はあって、
「NHKとしては大手のプロダクションと組んで、ある程度の実績を持った人気女優を使った方が、スケジュール管理もしやすいし、何より視聴率も見込めます。それに、収録期間が長いため、万が一トラブルが発生しても、売れっ子の管理に慣れている大手事務所が迅速に対応し、スケジュールの調整や撮影の継続がしやすくなります」
過去には調整がつかず、「いちばん星」(1977年上半期)で、高瀬春奈から五代路子に、さらに「春よ、来い」(1994年下半期~95年上半期)では安田成美が中田喜子へ、主演が変更されたことがあった。共に体調不良が要因だった。
しかし、それではなんだか味気ないとぼやくのは前出のドラマ・ウォッチャーだ。
「朝ドラは、何だかんだ言っても若手女優の登竜門であってほしいですね。“朝の連続テレビ小説”と銘打っているわけですから、単なる連続ドラマとは違った観点で、それこそ1日をこれから迎えようとする時、何かを見出せる様な作品であって欲しい。おそらく、朝ドラの視聴者というのは自分に出演者を重ね合わせて見ている人が多いはずです。ですから、すでにイメージの出来上がっている女優さんを起用するのではなく、ヒロインは爽やかで新鮮なニューフェイスを起用すべきだと思いますね。その点でも他の連続ドラマとは区別すべきだと思いますし、できていないから視聴者が離れていってしまうことにつながっているのでは。あえて期待をするなら、朝ドラから令和の能年玲奈が生まれて欲しいですよね」
今こそ「朝ドラらしさ」が求められているタイミングなのかもしれない。