ドジャース「佐々木朗希」が試される“日本での開幕戦の後”…どこまでもシビアな“悪の帝国”で生き残れるか
おやつタイムも
もう一つ。これもNPBでは例のないことだが、
「キャンプで練習中、ムーキー・ベッツは『アイスを食べに行こう』と周囲をすぐに誘うんです。大谷も有名ハンバーガーショップのミルクシェイクが大好きで、よく飲んでいました。コーヒーも大好きで球団スタッフにお願いして買ってきてもらっていました。クラブハウスにもビリヤード台などがあり、選手が誘い合って興じています」(前出・同)
佐々木もベッツに誘われるだろう。新参者として断わりにくいかもしれないが、彼らは相当量の練習をこなしている。練習中に甘い物もいいが、自分はまだメジャーリーガーの身体ができていないと、常に危機意識を持たなければ、日本での開幕戦で投げたとしても、帰国後に26人のロースター枠に残ることは難しいだろう。実際、帰国後に先発ローテーション入りが保証されているとの情報は聞かれなかった。
「ドジャース、パドレス、ブルージェイズの3球団が佐々木サイドとの2回目の面談に臨むに当たって、24年シーズンに球速が落ちた原因究明とその対策法を宿題として出しました。ドジャースは速球派投手を多く輩出してきた実績もありますが、彼らはシーズンを棒に振るような怪我も経験しています。クレイトン・カーショウ(36)の復帰は大幅に遅れ、1年以上も実戦から遠ざかっています」(前出・同)
速いボールを投げるには高い出力が必要となり、その分、肩や肘への負担も大きくなる。15秒以内で投球を始めなければならないピッチクロックにも早く馴染まなければ、「自分の間」で投げられなくなる。「間」を失えば、力みによる投球フォームの乱れや疲労蓄積にも繋がり、怪我のリスクも大きくなる。また、MLB公式球は「NPB球よりも滑る」とされる。フォークボールやスライダーの軌道もイメージ通りには行かないかもしれない。
佐々木が日本開幕戦までにやらなければならないことはたくさんある。“おやつタイムのお誘い”もそうだが、全てが自己責任となるドジャースは、違う意味でも「悪の帝国」かもしれない。