ドジャース「佐々木朗希」が試される“日本での開幕戦の後”…どこまでもシビアな“悪の帝国”で生き残れるか
ドジャースは「悪の帝国」
その補強に関する貪欲すぎる姿勢から、一部の米メディアや他球団のファンから「ドジャースは悪の帝国」とも揶揄されている。戦力が集中していることは事実とはいえ、決してルール違反ではない。巨額な補強資金を捻出できる経営システムを作り上げた結果だが、シビアな球団でもあることは本当のようだ。
「3月18、19日の日本開幕戦に合わせて、佐々木がメジャー契約を結び直すというのが大方の予想です。昨年オフの米FA市場の主役が投げるところを米国ファンも早く見たいと思っていますし、ドジャーブルーのユニフォーム姿を見せることが日本のファンへの最高のサービスにもなります」(前出・同)
漏れ伝わってくる話では、東京ドームが舞台となるカブスとの開幕2連戦は「オープニングピッチャーが山本、第2戦は佐々木で内定している」そうだが、佐々木の調整は大丈夫なのか。
「NPBの春季キャンプは練習とレベルアップが目的のようですが、メジャーのスプリングトレーニングは、調整の意味合いが強い。全体練習の時間はNPBよりはるかに少ないものの、最初は気苦労もあって疲れると思います。まずはMLB流に慣れることですね」(前出・同)
その「慣れる」に含まれる意味は、練習方法の違いだけではないようだ。大物選手を揃えているドジャースがとくにそうなのだが、彼らは“オトナの集団”でもある。
「実質的なキャンプ初日となった2月12日、佐々木がブルペン入りしました。メディアだけではなく球団関係者、一部コーチが守り、手の空いている何人かの選手も遠巻きに見ていました」(前出・現地記者)
NPBでも注目の新人投手がブルペン入りすると、先輩選手が移動途中で足を止めて見ることもある。しかし、「終始ずっと」ということはない。そんなことをすれば、担当コーチがカミナリを落とすところだが、メジャーリーグではよほどのことがない限り、注意されることはないそうだ。というのも、佐々木のブルペン投球に見入っているのはサボりではない。彼らは全体練習の始まる前か後で、自身が立てたプログラムに従ってしっかり練習しているのだ。
「メジャーリーグの先発投手は前年12月には投球練習を再開させています。二刀流を再開させる大谷にしても、12月時点で投球練習を始めており、投手として必要な肩や腕の筋肉を作り終えています」(前出・同)
佐々木のオフはMLB各球団との交渉や代理人との打ち合わせもあり、例年よりも練習時間を避けなかったのではないだろうか。しかも、スタッフや選手たちからまじまじと見つめられる中でのピッチング……慣れるまではなかなか大変そうだ。
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