ドジャース「佐々木朗希」が試される“日本での開幕戦の後”…どこまでもシビアな“悪の帝国”で生き残れるか

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緊張のキャンプイン

 バッテリー組キャンプ初日の2月11日(現地時間)、佐々木朗希(23)がドジャースに合流した。

 真新しいブルーの帽子、チームロゴの入ったTシャツを着た姿が確認されるなり、取材エリアで待ち構えていた日米両メディアのカメラマンが一斉にシャッター音を響かせた。佐々木の表情は少し強張っているように見えた。

 チームメイトとなる大谷翔平(30)や山本由伸(26)、そして、タイラー・グラスノー(31)、ブレイク・スネル(32)、トニー・ゴンソリン(30)、ダスティン・メイ(27)、ボビー・ミラー(25)などの主力投手たちは、数日前からアリゾナ州グレンデールのキャンプ施設での自主練習を続けてきたが、佐々木が同施設に入ったのはこの日が初めてだという。

「就労ビザなどの手続きがあったためです。1月17日のドジャースとの契約合意後、佐々木に関する詳しい動向が入って来ていないので、キャンプインに際し、練習不足を懸念する声も聞かれました。初日はブルペンで軽めの投球を行いましたが、どこまで体ができているのか、まだ分かりません」(現地記者)

 キャンプ初日、各選手のメディカルチェックに時間が掛かりすぎたため、実質的な練習の開始が翌日以降に延期されたのは既報の通り。チェックの結果を巡り、特定の選手と話し込むなどの様子もなく、特に問題はなかったようである。しかし、佐々木のチーム合流直前、「ドジャースの強さと厳しさ」を象徴するようなニュースも聞かれた。

「フリーエージェントになっていた、エンリケ・ヘルナンデス(33)のドジャース残留が決まりました。これでメジャーリーグの試合に登録できる40人ロースター、試合に出場できる26人ロースターの争いがさらに厳しくなりました」(前出・同)

 内外野どこでも守れるだけでなく、ポストシーズンマッチ通算15本塁打のMLBタイ記録を持つ人気者の残留にファンは大喜びだったが、「The Athletic」など複数の米スポーツメディアは飽和状態となった野手陣の名前を出し、「またトレードに動き始めるかもしれない」、「選手層は厚く、長いペナントレースを戦えそうだが、フロントやコーチスタッフの頭痛の種は人数調整」と、皮肉交じりに伝えていた。

「通算300本塁打を達成しているカージナルスの強打者ノーラン・アレナド(33)を、ドジャースがトレードで獲るとの情報も流れています。昨季、チーム最多の18セーブを挙げたエバン・フィリップス(30)の復帰が遅れているので、投手を獲る可能性もあります」(米国人ライター)

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