「発生した硫酸が下水管を腐食させる」「マンホールが多い場所は要注意」 八潮・道路陥没の三つの不運

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「下水管に穴が見つかっても、空洞まで見つけられたかどうか」

 検査で異常が見つかれば交換か補修をしなければいけないが、今回の事故現場の下水管は供用を始めてから42年目のモノで、4年前に機器を管の内部に入れて確認した検査では緊急性の高い異常は認められなかった。

 加藤氏はこう続ける。

「当然、地下になると暗い環境下ですから頻繁にやるのは難しい。仮に下水管に穴が見つかっても、今回発生したと思われる空洞まで見つけられたかどうか。また腐食の起こりやすいところでは、耐用年数より早い時期に異常が起こることが考えられます」

 後編【世田谷、目黒、品川区などが危ない? 東京の下水管危険エリアはどこか【八潮・道路陥没事故】】では、「インフラ老朽化の最前線」だという東京の中で、道路陥没のリスクが高いエリアについて解説する。

週刊新潮 2025年2月13日号掲載

特集「埼玉 八潮市『道路陥没事故』の深層 次は東京23区の下水道が危ない」より

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