S席は30秒で完売…伝説のグループ「CoCo」宮前真樹、アイドル仲間とステージに立つ今
涙する仲間の姿に感激
ただ、私とはずっと交流があったので、特別に出演してくれました。さっちゃんも「これが本当に最初で最後」と言って、終わりました。でも、その後、あみちゃんとさっちゃんと、「3人で何かイベントをやりたいね」という流れになったんです。
それで、バースデーライブの半年後に、3人でトークイベントをやったんです。同じ乙女塾出身だったので、乙女塾の話を中心にトークをしました。これがまた大盛況で、チケットがすぐに完売したんです。ファンの方から「またやってください」というリクエストもいただいて、背中を押される形で「次、また会いましょう」となりました。
トークイベントで、さっちゃんは「引退する時にファンの人たちに、きちんとお礼を言えなかったのがずっと心残り」と話していて、その話をすると、さっちゃんは毎回泣いちゃうんです。その姿を見て、私は「そんなに思いがあるなら、今からお礼を言えばいいじゃん」と思って、さっちゃんのCDを作る計画を立てました。
私がプロデュースする形で楽曲を作ってもらって、ジャケ写を作って、昨年9月1日にCDをリリースしました。さっちゃんにとって初めてのソロシングルです。人生初めてのリリースイベントも開催しました。私が全面的にプロデュースに入ったんですが、その間、さっちゃんがステージで歌ったり、レコーディングしたりする姿を間近で見てきました。
さっちゃんは本当に感激屋さんで、CDが出せたこと、ファンの人たちに会えたこと、また歌えたこと、全てに対して「すごく嬉しい」と、毎回泣いていました。その姿を見て、「こんなに感情をファンの人に伝えられる彼女は素敵だな」と感激したんです。
私の50歳のバースデーライブを振り返ると、自分の感情があまり追いつかないまま、色んなことが進んでいったなと思いました。イベントとしては、楽しく終えられました。ただ、自分の中では「やりきった」というより、イベントをひとつ終わらせたという感覚だったんです。だから、もう一度歌いたいと思って、今年1月に改めてライブをやらせていただきました。
1月のライブのチケットもおかけさまで即完売で、S席は30秒くらいで売り切れました。昼夜公演合わせて300人ぐらいの規模でしたが、発売から数時間で売り切れたということで、ファンの皆さんの熱気を感じました。
どういう企画にするか、誰に出てもらうかとか、どこまでやってもらうかは、全部自分で決めました。昼の公演は、私たちの世代のアイドルに歌ってもらうというコンセプトで、仲間に集まってもらいました。夜の公演は完全に私のソロライブとして行い、「ファンを独占したい」「私だけを見てほしい」というコンセプトで歌いました。
集まってくれた仲間は、山口リエちゃん、元Melodyの望月まゆちゃん、胡桃沢ひろこちゃん、美少女仮面ポワトリンの花島優子ちゃん、元Tiaraの渡辺幸恵ちゃん、元Qlairの今井佐知子ちゃんです。80年代後半から90年代前半にかけて、活躍したアイドルです。
みんな、ステージに出た瞬間にアイドルになるんだなと思いました。リハーサルをやっているとみんな遠慮がちなんです。「私なんて大丈夫です」と言って、どんどん後ろに下がっていくのですが、やっぱり本番になるとキラキラしていて、「あの時と同じだ。やっぱり忘れないもんなんだな」と思いましたね。
よくアイドルがこういうイベントをやると、「やっぱり、やりかたったんでしょ」とマイナスのイメージで言われたりすることがあります。でも、普段は全然そんなことを思ってないんです。
みんな納得して芸能界をやめて、子育てをして、自分の新しい世界で生きています。私が声をかけたことによって、「今だったら、出てもいいかも」と出てくれました。子どもの手が離れた今なら、気持ち的に気負いなくステージを楽しめるかもとか、そういう前向きな感じです。
私たち自身は今だから楽しくできることをやっています。大きな会場で何かをやりたいとか、もっと集まってすごいことをしたいという考えはないですね。どちらかというと、交流のある仲間たちと一緒に、あの頃できなかったことを一緒に歌ったりして、楽しく続けていければいいなという気持ちです。
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