イケメン力士・翔猿からパワハラを受け、脱毛症に… 「命を落としかねない稽古」の実態

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「大翔浜はやる気がなくて辞めたんです」

 ここですぐさま追手風親方の携帯電話を鳴らすと、以下のように応じた。

――翔猿のパワハラについて取材しています。

「はい、はい、はい」

――協会のコンプラが調査中のようですが。

「まあまあ、自分からは何も言えないので、協会に聞いてください」

――大翔浜(だいしょうはま・29)、日翔志(ひとし・27)、大翔(だいしょう・24)、大雄翔(だいゆうしょう・22)の4名がパワハラやイジメで翔猿の付け人を辞めたと聞きます。

「いや、それで辞めちゃうわけでもない……。大翔浜はやる気がなくて辞めたんですよ」

――では、他の方は。例えば、なぜ大翔は付け人を辞めたのですか。

「その時に、ちゃんこの責任者が辞めたからですよ。(大翔をその後任としようにも)付け人とちゃんこの責任者は同時にできないでしょう」

――薩摩翔も付け人を辞める予定?

「辞めません。辞めていません。これ以上は喋れませんって」

――翔猿は暴力ともいえるひどいぶつかり稽古をするという話が。

「いやいや、協会に聞いてください」

他人事のように「協会に聞いて」

――薩摩翔に“骨折り”(関取が場所や巡業のたびに付け人に支払う3万円ほどの謝礼金)を支払っていないとか。

「それも協会に聞いてください。全部、話をしていますから」

 ここで親方は図らずも、協会の聴取を受けた事実を明かした形に。

――親方は翔猿をかばおうとしていると批判する声も。

「かばうも、かばわないもないですよ」

――一方で薩摩翔に冷たく当たっていると。

「誰がそんなことを言っているんですか。なんで弟子に冷たくしないといけないんですか」

 こうして追手風親方は、まるで他人事のように「協会に聞いて」という言葉を繰り返し、最後は一方的に通話を切った。

 相撲協会に、翔猿の付け人が4名も辞めていること、イジメの実態、コンプライアンス委員会による調査の件などを書面で問い合わせた。すると電話で、

「回答なし、ということでお願いします」

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