2時間番組でCMが5分! ACが減り自社広告ばかりになった「フジテレビ」CMの費用対効果

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フジの関連映画に埋もれる

「元不良の2人が格闘技イベント『ブレイキングダウン』のリングを目指す物語ですが、CMでは学生の喧嘩シーンがクローズアップされていたので、同作の監督を務めた三池崇史氏がかつてメガホンを取ったヒット作『クローズZERO』の二番煎じと思ってしまった人も少なくないと思います」

 あえてフジで流したことも逆効果だったと言う。

「最近、フジで流れるCMは、ACジャパンのものは若干減ってきたように思います。その穴を埋めているのがフジの自社CMです。番組宣伝もあれば、フジが製作に関わっている映画もある。例えば、8日夜は映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』が地上波で初放送されましたが、その間に流れたCMはいずれもフジ関連の映画で、山崎賢人と浜辺美波の『アンダーニンジャ』、向井理の『パリピ孔明 THE MOVIE』、中島健人の『知らないカノジョ』、大泉洋と永野芽郁の『かくかくしかじか』もありました。人気者が主演し、CMも派手でした。これらに混じって新人俳優の木下暖日と吉澤要人が主演する映画『BLUE FIGHT』のCMが流れたものの派手さがなく、むしろ逆効果だったように思います」

 なお、CMを注視したおかげで、フジのCM枠の変化にも気づいたという。

CM枠そのものがない

「8日の『翔んで埼玉』の前には『世界!爆笑おバカ映像GP★信じられない!奇跡の瞬間ビックリ映像95連発』という2時間特番が放送されたのですが、前番組が終わって番組が始まるまでに流れる1~2分間のSB(ステーションブレイク)のCM枠はありませんでした。さらに、番組が始まってから終了までの2時間で、CM枠はたったの2回しかありませんでした。1回目が約3分、2回目はわずか1分でした。そして同じくSBもないまま後番組の『翔んで埼玉』が始まりました」

 2時間で広告枠がたったの5分! 民放の1時間ものドラマはCMを除くと本編は正味で47~8分というところだが、フジはほとんどCM抜きで放送していたことになる。最近ではNHKですらもっと自社CMを入れているのに。

「『どうせCMが売れてないのなら、CM枠を本編で使っちまえ!』となったのではないでしょうか。この5分程度の広告枠を埋めていたのも、ACが2本、フジ関係の映画が4本、そして後番組の『翔んで埼玉』のCMでした」

 どうせなら「翔んで埼玉」も広告なしで見たかった。

「さすがに2時間弱の映画に、放送枠30分の延長も決まっていたため、編成を変えるわけにはいかなかったのでしょう。とはいえ、今後もフジの番組からCM枠が減っていくかもしれません」

 ちなみに、2月13日からはサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」の新CMが各局で放送される。人気テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の20年後の世界を実写で描くという内容で、まる子は広瀬すず、親友のたまちゃんは伊藤沙莉、お坊ちゃんの花輪くんはオダギリジョーが演じる。「ちびまる子ちゃん」といえばフジの人気アニメだが、このCMがフジで放送される予定はないという。

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