2時間番組でCMが5分! ACが減り自社広告ばかりになった「フジテレビ」CMの費用対効果
タレントの中居正広氏による女性とのトラブルに端を発したフジテレビ問題。フジへの広告出稿を見合わせるスポンサー企業は75社、ACジャパンの公共広告に差し替えられたCMは350本以上となった。その一方で、ここへ来て大勢とは異なる動きも出ている。
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2月7日、給湯器の設置などを手がけるキンライサーがフジでのCM再開を発表した。同社のXにはこうある。
《フジテレビのCM放送を再開いたしました。/今回、フジテレビの関係者の皆様と直接お話をさせていただきました。報道の訂正がなされた一方で、いまだ議論の余地が残る点もあることを理解しております。また、第三者委員会の調査が進む中で、新たな事実が明らかになる可能性もあると認識しています。/しかし、私たちはフジテレビ様の中で誠実にこの問題に向き合い、より良い未来を築こうと努力されている方々がいることを知りました。/どのような困難の中にあっても、変わろうとする意思がある限り、そこには前に進む力が生まれます。今回のCM再開が、未来を信じて努力を続ける方々への励ましの一つとなることを願っております。》
翌8日には企業家で格闘技イベント「ブレイキングダウン」のCOOとして知られる溝口勇児氏がXで、自身がエグゼクティブプロデューサーを務める映画「BLUE FIGHT~蒼き若者たちのブレイキングダウン~」のCMをフジだけで流すと発表した。
《本日2月8日(土)~2月11日(火)までの4日間、映画「BLUE FIGHT」のテレビCMが放送されます。(中略)放送局は、今話題のフジテレビです。》
民放プロデューサーは言う。
CM再開で批判
「フジの被害女性に対する対応などが間違っていたことは言うまでもないのですが、それにしてもスポンサー企業が揃って右へならえというのは少し気持ち悪いところもありました。そんな中、他社とは異なる対応が出てきたのは自然なことだと思います」
もっとも、CMを再開したキンライサーのXには「性加害を容認している」「フジテレビから接待を受けている」 との批判が巻き起こり、改めてそれらを否定するコメントを発表しなければならなかった。
「Xで批判をする人はCM再開についての文章を読んでいないのでしょうか。なぜCM再開が性加害の容認に繋がるのかさっぱりわかりません。キンライサーの公式サイトを見ると、関西のガス給湯器販売会社に過ぎなかった近畿ライフサービス(キンライサーの前身)が年商100億円の企業になるまでには、知名度のなかった関東ではテレビCMが欠かせなかったことがわかります。その恩義を感じてのCM再開だったのかもしれません」
では、映画「BLUE FIGHT」のCM効果はどうだったのだろう。
「1月31日公開の『BLUE FIGHT』は上映館数が135と少なめなこともあって、興行通信社のランキングでは公開第1週ですら10位以内に入っていません。残念ながら、CMに大枚を投じた割には視聴者に届かなかったように思います」
なぜだろう。
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