“公務員を辞めたオタク女子”が大バズり… 無加工動画で魅了したコスプレイヤー「すずら」の紆余曲折人生

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 いまやSNSにアップされる画像は加工されているのが当たり前で、特にコスプレの写真は別人のように加工されているものも多い。そんな中、Xのフォロワー数が42万人を超える人気コスプレイヤーのすずらさんは、無加工動画がかわいいとバズるなど、リアルな可愛さで人気を博している。実は以前は公務員だったという彼女がコスプレを始めたきっかけから「鬼ころし」が好きと言う意外な一面まで明かしてくれた。

――出身は北海道。子供の頃はどんな子だったんですか。

 中学校あたりまではかなり真面目な方だったと思います。中学時代では学年1位の成績だったこともあります。両親が教育熱心というより、性格的にテストが満点じゃないと気が済まないという感じで。クラスでは目立たない方で、あまり男子生徒とも話したことないぐらい。端っこで静かにしているタイプでした。

――アニメやゲームはいつ頃から好きだったんですか。

 アニメは幼稚園ぐらいの時です。「しゅごキャラ!」のほしな歌唄ちゃんがすごく好きで、髪型を真似してツインテールで小学校に行ってました。

 高校の頃には軽音部の子5人でガールズバンドを組んでたんですが、学生の時は私ずっとオタクであることを隠していたんです。他の子たちもアニソンを全然知らない子たちなので、Whiteberryの「夏祭り」のカバーとかをやっていたんですが、本当はアニソンをずっとやりたくて。自分の家で一人、ベースの練習してました(笑)。

――勉強はできたということですが、大学には進まなかったんですね。

 高校あたりから勉強する目的を失ったんです。みんなは大学受験のために勉強しているけど、私はその当時、将来の夢がなくて。「大学に行ったとしてもやりたいこともないな」となってしまって。だったら、自分の好きな料理の専門学校に行きたいと思ったんですが、親には「料理の世界は厳しいから心配」と言われて。自分でも調べて過酷な世界だとわかったので諦めました。

「じゃあ趣味で大好きなアニメやゲームができるようにしたい」と考えて、収入も安定していて休みもある公務員になろうと思って。専門学校を卒業した後は、いくつか内定をもらったんですけど、オタク活動のしやすい東京のある区役所に入所しました。

 入った時は「受付くらいかな」と思ったんですが、入所して配属されたのが税金や料金の督促・差し押さえを行う部署で…。窓口や電話で連絡してくる人はみんな余裕がなくて、口調が強くて。私自身がもともと気弱なこともあって耐えられなくて。家に帰ったらへとへとで毎日泣いてました。

 仕事自体も覚えることが多くて、休日も知識をつけるために色々な講習に行ったり勉強していたので、オタ活は何もできなかったです。その仕事を1年やってみて「私には向いてないな」って思って。異動の相談は何度もしたんですけど「役所のシステム上、4年ぐらいは異動できない」って言われてしまって。3年は耐えられないと思って辞めました。

実家に帰り暴飲暴食

――役所の仕事を辞めてからはどうされたんですか。

 北海道の実家に帰りました。ただ、もともとやりたいことがない人間だったので「私はダメ人間だ。公務員もうまくできなかった。将来どうしよう」とかなり落ち込んで。暴飲暴食もしてしまって、めちゃくちゃ太りました。

 でも、このままじゃダメだと思って。「もしかしたら好きなことを自由にできるのは今の期間だけかもしれない」と考えて、もともと興味があったコスプレを始めてみようと思いました。

 それまで、おしゃれに気を使うタイプじゃなかったので、メイクの仕方も全くわからなかったので動画やTwitterで上がってくるコスプレイヤーさんの写真を拡大したりして勉強しました。体重も半年で20キロ落としました。そうしたコスプレの研究や準備を1年くらいかけてやりました。人生の中で一番モチベーション高くやっていた時です。

 小さい頃から公務員をやっている時も、アニメやゲームが好きというのをずっと隠してきたので、やっと自由にできるという思いもありました。

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