水谷瞬につづけ…「ソフトバンクに見限られた選手」が他球団で大活躍する理由

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 柳の下に、いったい何匹のドジョウがいるのだろうか。昨年オフにソフトバンクから戦力外通告され、西武と育成選手契約を結んだ仲田慶介内野手が、宮崎・南郷で行われている1軍キャンプのメンバーに抜擢され、注目を集めている。というのも、ソフトバンクに在籍した5年間は1軍出場なしだった水谷瞬外野手が、現役ドラフトで昨年日本ハムに移籍した途端、セ・パ交流戦期間中に史上最高打率.438をマークし、交流戦MVPに輝くなど大活躍した例があるからだ。

2軍で打率.403をマークし、西武と育成選手契約の仲田慶介

 仲田は足が速く、スイッチヒッターで、おまけに内・外野どこでも守れるユーティリティ・プレーヤー。年齢は25歳で、西武でも今はまだ3桁の背番号140。すなわち1軍出場資格のない育成選手だが、早期の支配下登録はもちろん、レギュラー争いに加わる可能性も十分ありそうだ。

「何しろ、昨年パ・リーグで2位に13.5ゲームの大差をつけ独走優勝を果たしたソフトバンクと、球団ワースト記録の91敗を喫して断トツの最下位に沈んだ西武とでは、選手層の厚さに天地の差があります。たとえば、ソフトバンクは1軍の戦力である支配下登録選手の他に、54人もの育成選手を抱え、数多くのコーチ、スタッフの下で、激しい競争を繰り広げながら日々レベルアップ。一方、西武の育成選手は30人です。選手にとっては、西武の方が圧倒的に出場のチャンスが多い。しかも今年は、二塁手としてゴールデン・グラブ賞2回の実績を誇る外崎修汰内野手が、守備の負担を減らして打撃に専念するため、三塁にコンバートされるので、二遊間をこなせる仲田には大いにチャンスがあると思います」(NPB担当記者)

 仲田は福岡大大濠高、福岡大を経て、2021年にソフトバンクから育成選手ドラフト14位指名を受けて入団した。同年のドラフトで指名された128人(支配下77人、育成51人)中、最後に指名された選手だった。そんなどん底から這い上がり、プロ3年目の昨年3月には、ついに支配下契約を勝ち取り、開幕1軍メンバーにも選ばれた。最終的に、1軍での成績は24試合出場、打率.214(14打数3安打)に終わった。しかし、2軍のウエスタン・リーグで.403の高打率(64打数28安打)をマークし、翌年の飛躍を予感させていた。

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