「木山兄弟をパクれ!」 違法スカウトグループ「ナチュラル」の捜査が難航する理由
狙いは「木山兄弟」か
ナチュラルは06年ごろに都内・立川で誕生し、09年に歌舞伎町で活動を開始。メンバーは約1500人、提携する風俗店は全国約4000店舗、紹介料などの収入が年間約50億円に上る日本最大級のスカウト組織で、警視庁は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」と見なしている。
「1500人のメンバーも全員が常時稼働しているわけでなく、実働部隊はアメーバのように増減を繰り返している。メンバー同士でも偽名を使い合い、グループが独自に開発したアプリに各メンバーが登録。そのアプリ内で連絡や勤怠管理が行われている」(別のスカウトグループ関係者)
捜査関係者によると、1月の捜査では「ナチュラル創設者で、実質的トップの木山兄弟に手を伸ばすつもりだった」という。
「木山というのは稼業名で、兄弟は一度、5年前に傷害罪などで逮捕されています。“歌舞伎町スカウト狩り”と呼ばれる、住吉会系傘下組織との抗争事件に関連したもので、この時の兄の名前は西田寛昭(35)=当時=。その後、西方姓になり、現在はまた名前を変えて所在も不明です」(前出の記者)
仲間内への凄惨なリンチ
スカウト狩りの一件以降、敵対グループだけでなく、仲間内への凄惨なリンチ事件なども相次いで発覚し、悪名を轟かすことに。
「警察当局の取り締まりが激しさを増すと同時に、地下へ潜る動きを加速させ、名称も『ホワイト』などへ変更。警視庁は今後も捜査を継続の方針ですが、ナチュラルはトクリュウの中でも“武闘派スカウト集団”という顔を持つ、最も実態があるグループ。捜査が難航を極めている中、“トクリュウ壊滅への道のりは遠い”と話す捜査関係者もいます」(前出の記者)
かけ声倒れに終われば、警察の面目も丸つぶれだ。
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