「木山兄弟をパクれ!」 違法スカウトグループ「ナチュラル」の捜査が難航する理由

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 警察庁長官が「トクリュウ壊滅」を宣言してから1年半。今回、威信をかけた大捕り物が期待外れに終わり、警視庁内が揺れているという。背景にあるのが、急速に進む令和の犯罪集団の“アングラ化”だ。

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 警視庁暴力団対策課は1月27日、国内最大規模を誇るスカウトグループ「ナチュラル」メンバーの荻野優也(32)と伊谷亮祐(27)を逮捕した。

「逮捕容疑は2023年以降、女性2人を都内のソープランドや富山県内の無店舗型風俗店に紹介した職業安定法違反の疑いです。伊谷がグループ内で〈プレイヤー〉と呼ばれるスカウト、荻野が店から紹介料などを受け取る〈集金課〉に属していたとされます」(全国紙社会部記者)

捜査情報が漏れていた可能性

 逮捕と併せて、警視庁は都内の風俗店や事務所など関係先数十カ所を一斉捜索したが、

「この電撃作戦で警視庁はグループ幹部の逮捕を視野に入れていましたが、結局、末端2人を挙げただけで終わった。別のスカウトグループ『アクセス』では今月2日、ナンバー2の逮捕にまでこぎ着けたのに比べるとその差は大きい。理由として、捜査情報が事前にナチュラル側に漏れていた可能性が浮上しています」(前出の記者)

 実際、警視庁幹部は「マスコミから漏れた」と激怒し、記者からは「逆ギレだ」と反論する声が上がっているとか。肝心の漏えいルートについてだが、

「実は捜査関係者から漏れた疑いが庁内でささやかれているのです。警視庁は22年12月、違法スカウトグループを摘発するため、部門を超えたタスクフォースを設置。それまでスカウトの取り締まりは生活安全部の管轄でしたが、ナチュラル捜査には暴力団などを担当する組織犯罪対策部も参加した。ナチュラルと住吉会幸平一家とのつながりが指摘されているためですが、それゆえ住吉会と距離の近い捜査関係者に疑いの目が向けられています」(同)

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