リブゴルフ初戦はなんと3日間のナイターゴルフ 所属選手たちが得る「ビッグマネー以外の大切なもの」とは

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リブゴルフの姿勢に対する評価

 リブゴルフの今季初戦の開幕直前、USGA(全米ゴルフ協会)が全米オープン出場資格の項目に「リブゴルフ」を明記した新カテゴリーを創設したことも、リブゴルフと選手たちの存在や姿勢が評価されたことの表れと考えられる。

 USGAは2月5日、名門オークモントで開催される今年の全米オープンについて、出場資格となる24のカテゴリーを発表した。その中に、2025年5月19日時点でリブゴルフの個人ランキングでトップ3となった選手にの1人に出場権が与えられるという新たなカテゴリーが記され、世界中のゴルフ関係者を「あっ!」と驚かせた。

 また、2025年4月7日時点でリブゴルフの個人ランキングでトップ10に食い込んだ選手は、全米オープンの地区予選が免除され、最終予選からチャレンジできることになった。

 そして、2026年の全米オープンでは、2025年のリブゴルフの最終の個人ランキングで1位になった選手と、2026年5月時点でリブゴルフの個人ランキング1位の選手の合計2名に出場資格が与えられる。

メジャー4大会も続々と「特別招待」

 リブゴルフは世界ランキング(OWGR)のポイント付与の対象として認められてはいないため、リブゴルフ選手たちの世界ランキングは低下の一途を辿る傾向にあり、彼らがメジャー4大会に出場することは日に日に難しくなりつつある。

 そうした現状を鑑み、マスターズを主催するオーガスタ・ナショナルは、すでにリブゴルフ選手のホアキン・ニーマンに今年のオーガスタへの特別招待をオファーしている。PGAオブ・アメリカも、今年の全米プロにニーマンとセルジオ・ガルシアを特別招待した。

 しかし、ニーマンやガルシアがリブゴルフ選手であることには、オーガスタ・ナショナルもPGAオブ・アメリカも言及すらしていない。

リブゴルフ側は「心から感謝」

 そんな中で、リブゴルフ選手がメジャー大会に出場するためのダイレクトなパスウェイがUSGAによって明示されたことは、ゴルフ界史上初のうれしい出来事となった。

 USGAのチーフ・チャンピオンシップ・オフィサー、ジョン・ボーデンヘイマー氏は「ベストなプレーをしている選手には、私たちのナショナル・チャンピオンシップ出場につながる道を提供したい」と語った。

 また、リブゴルフのオニールCEOは「リブゴルフ選手が全米オープンに出場し、戦うための新しいパスウェイをUSGAが正式に創出してくれたこと、そしてUSGAのマイク・ワンCEOのリーダーシップとゴルフを成長させたいと願う姿勢を、とてもうれしく思う」と語り、心から感謝している様子だった。

 新しいものづくしで2025年をスタートしたリブゴルフ、そして、その選手たちの存在感と位置づけは、着実に向上されつつある。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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