大惨敗「おむすび」で唯一株を上げた「有名俳優」とは? “真面目な堅物”がギャルポーズを決めるギャップが話題

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 NHKの朝ドラ「おむすび」が平均視聴率の歴代最低記録を塗り替えようとしていることが話題となっている。そんな中でただひとり株を上げた俳優がいる。緒形拳の息子であり、名バイプレイヤーとして活躍する緒方直人(57)だ。

 ***

 緒方は「おむすび」では靴職人の渡辺孝雄を演じている。

「男手ひとつでひとり娘を育ててきたものの、阪神・淡路大震災で娘を亡くし、深い悲しみを抱えたまま前に進めなくなった靴職人を演じてきました。“ナベさん”と慕われていたものの、震災後は商店街の仲間にも心を開くことができなくなり、彼らと対立する難しい役どころをリアルに演じています。時に嫌われ役にもなりきった演技力は、業界でも絶賛されました」

 昨年4月期の日曜劇場「アンチヒーロー」(TBS)で演じた冤罪の死刑囚も緒形らしい役どころだった。

「ところが、仲里依紗(35)が演じるヒロインの姉・歩に頼まれたギャル靴を作ったころからキャラが変わりはじめます。その靴が流行ってギャルたちと仲良くなり“ナベベ”と呼ばれるような軽いキャラに激変。前半との演技のギャップも評価されています」

 1月31日、朝ドラに続いて放送される「あさイチ」にゲスト出演した際のオープニングの挨拶も話題となった。

緒形:おはようございます。渡辺孝雄役、緒形直人です……チョーアゲッ!

――いきなりギャルポーズを決めたのだ。これにはMCの博多華丸(54)・大吉(53)もかなりビックリしたようで、

大吉:“ナベベ”さんですけど、ナベベじゃないんですよね? 緒形直人さんですよね? いやー、ちょっと伝わるかなぁ、この私のソワソワ、ドキドキ……。

華丸:世代ですからね、我々は……。

史上初の大河親子主演

「若い視聴者は緒形が演じる“ナベベ”の豹変ぶりに驚いたのでしょうが、彼の若い頃を知る50代以上はもっと驚いたと思います。あんなにはっちゃけた演技も見たことがないですし、トーク番組で弾ける姿も見たことがなかったからです」

 言うまでもないが、緒形の父は名優・緒形拳(1937~2008年)である。1988年公開の映画「優駿 ORACION」(主演・斉藤由貴)でデビューし、翌年から人気ドラマシリーズ「北の国から」(フジテレビ)に出演。90年のNHK大河「翔ぶが如く」(主演・西田敏行)では主人公の弟・西郷従道を演じた。そしてデビューから4年後の92年、25歳で大河「信長 KING OF ZIPANGU」の主演を張った。王道を歩んできたと言っていいだろう。

「父の緒形拳さんは大河では『太閤記』(1965年)と『峠の群像』(1982年)の2本に主演しており、親子2代で大河の主演を張ったのは史上初と話題になりました」

 ちなみに、大河史上2組目の親子主演は、「元禄繚乱」(1999年)の5代目中村勘九郎(18代目勘三郎=1955~2012年)と「いだてん~東京オリムピック噺~」(2019年)の6代目勘九郎(43)だ。

「『いだてん』は平均視聴率8・2%と大河史上ワーストを記録してしまいましたが、緒形の『信長』は平均24・6%と、決して悪い数字ではありませんでした(ビデオリサーチ調べ:関東地区・世帯)。しかし、それまで大河で演じられてきた信長のイメージとは大きく異なったこと、緒形に合わせて脇を固める役者を若手にしたこと、明智光秀にマイケル富岡(63)、徳川家康が郷ひろみ(69)といった突飛なキャスティングもあり、“学芸会大河”と揶揄する人もいました」

 後に緒形は「役者を継いだ息子が大河に主演したら?」という質問に、こう答えている。ちなみに、彼の二人の息子も俳優として活動している。

次ページ:「北京原人」の悪夢

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。