「フジの社員は“文春ひどい”と騒いでいる」 フジテレビの窮地に「菅田将暉もドラマ出演を断った」

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「再放送ばかりになる可能性も」

 無論、文春の訂正があろうとなかろうと、今回の件に関するフジの対応の「お粗末さ」が変わることはない。何しろ、港前社長は問題を把握した後もコンプライアンス部門と事案を共有することもなく、中居を起用し続けたのだから。そうした一連の事実が問題視されているからこそ、文春の訂正後もスポンサーがフジから逃げる流れに全く歯止めがかからないのだろう。

「制作や編成の人の中には『CMがないならそれでいいじゃん』とのんきに言う人も結構います。番組におけるCMの総量には上限があるのですが、下限は特にない。だから『CMのない番組を作ればいい』ということになるわけです」(前出のフジテレビ関係者)

 もっとも、CMという重要な収入源がなくなれば、

「番組の制作そのものができなくなる可能性もあります。そうなるとほとんどが昔のドラマなどの再放送になるかもしれません。あと、関西テレビや東海テレビなどの準キー局に頭を下げて、番組を使わせてもらうという選択肢も現実的に出てくると思います」(同)

決算の見通しを大幅に下方修正

 現在、フジの番組は多くのCM枠がACジャパンの公共広告に差し替わっている。

「基本的にCM枠は前払いで返金はなく、企業側が自社のCMを出さないと判断した時にACで代替します。だから前提となるタイムやスポットのCM契約がなければ、ACが流れることも原則的にはありません」(前出の西山氏)

 今回の件に関しては、ACへの差し替え分の広告料金を企業側に請求しない方針をフジは明らかにしている。そうした影響もあり、

「フジ・メディアHDは25年3月期決算の見通しを大幅に下方修正しました。フジの放送収入全体で233億円の減収。フジHDの売上高は501億円減、純利益は192億円減の98億円と予想しています」(全国紙記者)

 フジの上層部を青ざめさせるに十分な数字である。それでも日枝氏が動じないのは、フジ・メディアHDの収益構造に理由があるのかもしれない。

 後編【日枝久氏を辞めさせるのが「非常に難しい」理由とは フジ元役員が明かす】では、日枝氏を辞めさせるのが難しい理由について報じる。

週刊新潮 2025年2月13日号掲載

特集「フジサンケイ帝国 『日枝久』総帥に誰も引導を渡せない特殊事情」より

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