「ラブストーリーは突然に」「星に願いを」も飛び出す小室佳代さんエッセイに宮内庁の反応は
メルヘンチックな要素が
一連のゴタゴタを知らずに同書を開けば、全体としてはメルヘンチックな要素が強い。
「ラブストーリーは突然に~夫との再会~」「You’er everything~愛しき人との別れ~」「星に願いを~いつかまた出逢えたら~」「What A Wonderful World」と、名曲のタイトルを引用した見出し、あるいは「みんな『ひとりの人間』なのだから」「一番大切なことは目には見えない」「愛する自由も叶わないのならば……」といった歌謡曲の歌詞かポエムのような見出しが散見される。「ラブストーリーは突然に~」は圭さんと眞子さんのことではなく、ご自身と夫との出会いが描かれた項である。
当然ながら圭さんへの深い愛情が伝わってくるエピソードも数多く紹介されているが、一方で、婚約後のトラブル、特にマスコミに苦しんだ時の心情も率直に綴られている。
全体を通すと還暦前の女性による「半生記+子育てエッセイ+料理エッセイ+対マスコミ苦労日記」ということになるだろうか。圭さんや佳代さんにシンパシーを抱く人や応援したいと考える人にとっては、バラエティに富んだ、痒い所に手が届いた本と言えるだろう。一方で、そうではない人にとってはそこまで強い惹きがあるとは言えないかもしれない。
それだけに、「そこまで踏み込んだ内容ではないのに出版に踏み切った理由がよくわからない」との評価があることも事実のようだ。
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