日米首脳会談終了 トランプ氏の「ディープステート解体運動」に日本が細心の注意を払うべき理由
「クーデター」とも評される一連の行動
DOGEはホワイトハウスの行政管理予算局内に設置され、早速活動を開始している。
手始めは、国務省傘下の対外援助機関「国際開発局(USAID)」の解体だ。現在1万人以上いる職員を約290人に削減する予定が報じられている。
USAIDの人事管理局が持つ連邦職員の個人情報データベースや、財務省が管理する給与システムなどへのアクセス権も確保した。一連の行動は「クーデター」と評されている。
DOGEの実働部隊は「連邦政府のソフトウェアなどの近代化」を目的として各政府機関に配置される見込みだが、その大半がネット上の募集で集まった19~24歳のエンジニア集団だと言われている。IT能力はたしかに高いだろうが、実社会の経験がほとんどない彼らが巨大な連邦政府のシステムを正しく評価できるのかという疑問が呈されている。
民主党議員がマスク氏に抱く嫌悪感
新政権のスタートダッシュに支持者が溜飲を下げていることは間違いないだろう。グローバル化の恩恵を享受できず、リベラル・エリートの「上から目線」への敵意を募らせていた彼らは「とにかく既存のシステムを壊してほしい」と懇願していたからだ。
だが、反発も大きい。新政権が繰り出すリストラ策に対しては、裁判所の一時差し止め判決が相次いでいる。
野党の民主党も反撃に出ている。米下院監視委員会の民主党議員は6日、複数の連邦機関の監察部門に対し、DOGEによる国家安全保障への脅威を調査するよう要請した。DOGEの実働部隊の行為は連邦法に違反するハッキング行為だというのがその理由だ。
民主党議員の間でマスク氏に対する嫌悪感は強い。「ナチ」と揶揄し、「(マスク氏の母国である)南アフリカに強制送還せよ」との声も出ているほどだ。
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