「妻は“華僑の四大美女”で政界にパイプ」 コロナ給付金詐欺で逮捕された中国人元外交官の“ウラの顔”

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「中国大使館の人たち行きつけのお店として有名」

「御膳房は中国大使館の人たち行きつけのお店として、有名なところでした」

 と振り返るのは、中国経済や企業に詳しいジャーナリストで、千葉大学客員教授の高口康太氏である。

「あの店がオープンした当時から、中国人が経営する高級中華は都内に幾つかあったと思いますが、中国大使館をターゲットにしたという意味では、珍しい店だったと思います」

 都内有数の歓楽街に店舗を構える「御膳房」六本木店は、中国大使館の徒歩圏内に位置している。そんな好立地に店を出せたのは、徐容疑者のパートナーの存在が大きいとされる。

“華僑の四大美女”

 徐容疑者を知る在日華僑が明かすには、

「徐容疑者の妻はものすごい美貌の持ち主です。今は60歳前後だと思いますが、若い頃は都内に住む中国人の間で“華僑の四大美女”として有名でした。大柄でスタイルも良く、目がクリッとしてきっぷがいい。店ではチャイナドレスを着て客のテーブルまであいさつに来るなど、徐容疑者よりも圧倒的に目立つ存在でした」

 彼女は80年代に都内の私大に留学するため来日し、卒業後に徐容疑者と結婚したという。

「彼女の父親は中国の高級官僚で、美術品の転売などで富を築いた。それで徐容疑者が店を開く際、彼女が開業資金を工面したそうです。その後、彼女自身も都内で高級中華料理店を経営しています」(同)

政界の大物たちがこぞって来店

 それが本場の北京ダックを味わえるという触れ込みの「全聚徳」。北京にある本店は観光スポットとして有名だが、日本進出に際して彼女が名乗りを上げたというわけだ。現在は新宿、銀座、丸の内などの一等地に店を構えるが、注目すべきは2018年に行われた銀座店リニューアルオープンのセレモニーである。

 来賓として当時の中国大使・程永華氏をはじめ、日中友好議連会長だった二階俊博氏が招かれているのだ。

 それだけではない。「政治資金収支報告書」を精査すると、林芳正官房長官といった現職閣僚から、河野太郎前デジタル相、茂木敏充氏など外相経験のある政治家らが、彼女の店に高額の飲食代を支払っていることが見て取れる。

 夫は元中国大使館員で、妻は日本の政界にパイプを持つ。この二人が営む店は、日本政界と中国政府の接点で、工作活動の拠点となっているのでは……。捜査当局が疑いの目を向けても不思議でない。

 2月13日発売の「週刊新潮」では、警視庁公安部が捜査に本腰を入れる裏側について、詳しく報じている。

週刊新潮 2025年2月20日号掲載

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