“引退宣言”青学大・若林宏樹を原監督が説得しない理由 「昔は指導者のご託宣で進路が決まっていたが、今はそんな時代では…」

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“有終の美”で引退

 別府大分毎日マラソンで、青学大4年生の若林宏樹(22)が初マラソン日本最高記録をたたき出した。順位は外国人選手に次ぐ2位で、日本人トップ。2時間6分7秒は日本歴代7位、日本学生新記録の快挙だった。

 世界陸上参加標準記録も突破し、9月に行われる東京大会の代表候補にもなったのだが、本レースを最後に引退すると明言していた。

「箱根駅伝では3度も5区を担当。すべて優勝につなげ、“山の神”の異名を取りましたが……」

 と、スポーツ紙記者。

「既に日本生命から内定をもらい、競技人生にピリオドを打つとのことです」

 これだけの才能がありながら、もったいない話だが、レース後、若林は「有終の美を飾れた。これでやめるからこそ出たタイム。やり切った」と、改めて引退の意思を示した。

原監督の説得で現役続行

 実は、彼と同様に別大で引退表明し好走した選手がいる。2020年大会で当時の初マラソン日本歴代2位、日本人トップの3位に入った吉田祐也(27)で、彼もまた青学の学生だった。

「ブルボンに内定していましたが、瀬古利彦さんは“もったいない”と。青学の原晋監督も“競技を続けて”と説得し、内定を辞退したのです」

 競技を続けた吉田は、パリ五輪出場こそ逃すも、昨年12月の福岡国際マラソンで日本歴代3位の2時間5分16秒をマーク。世陸代表の最有力候補になっている。

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