戦後80年でも消えない「引揚者の刻印」とは 作家・五木寛之が語る「禁じられた記憶」

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 2025年は終戦から80年となる。92歳になる作家・五木寛之さんは、多感な時期に終戦を迎え、平壌(ピョンヤン)から日本へ引き揚げざるを得なかった経験を持つ。その際の心情については『私の親鸞』(新潮選書)に詳しいが、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナでの紛争が始まると、祖国を離れる難民の姿をメディアで見るにつけ、胸が締め付けられたという。

 そして同じ大学で学んだ作家・三木卓さんが2023年に逝去されたとき、同じ「引揚者」でもあった彼の呟いた一言が忘れられなかったと、最新刊『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』(新潮選書)で語っている。...

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