2025年パ・リーグの「球団別戦力」を3段階で評価! ソフトバンクと日本ハムの戦力差が縮まる!? 下位球団も“底上げ”に成功か?

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ドラフトも外国人選手も抜け目ないオリックス、セデーニョ獲得で泥沼を脱したい西武

<オリックス>
総合評価:B
新人:B
移籍選手:A
新外国人:B
既存戦力の退団:B

 最大の戦力アップは、FAで広島から獲得した九里亜蓮だ。二桁勝利こそ1度だけだが、2017年から昨季まで8年連続、100イニング以上の投球回を記録している。試合を作る能力は一級品。先発ローテを担うことが期待される。

 野手で注目は、ドラフト1位の麦谷祐介(富士大)。全国大会で度々結果を残しており、俊足と長打力を兼ね備えている。センターのレギュラー争いに加わる可能性も高い。

 外国人選手を見ると、昨季、チームトップの15本塁打を放ったセデーニョが退団し、西武に移籍した。その代わりに、メジャーでシーズン二桁本塁打を放った実績があるディアス(前アスレチックス)とオリバレス(前メッツ)を獲得した。日本の野球に対応できるかは未知数だが、しっかり弱点を補おうとした点は評価できる。

<西武>
総合評価:B
新人:B
移籍選手:C
新外国人:B
既存戦力の退団:B

 昨季は、借金42という歴史的な大敗に終わった西武。外国人選手の入れ替えがメインで、そこまで目立った補強はなかったが、ドラフトや他球団を自由契約になった選手の獲得もあり、総合評価はBとした。

 プラス材料は、オリックスを自由契約になったセデーニョの獲得だ。三振は多いものの、98試合の出場で15本塁打を放ったパワーは大きな魅力で、徐々に対応力が上がっている印象を受ける。今年で27歳とまだ若く、新たな主砲候補にかかる期待は大きい。

 ルーキーは、ドラフト2位の渡部聖弥(大阪商業大)が即戦力候補。関西六大学でシーズン最多本塁打、通算最多安打タイなどのリーグ記録を樹立した。外野とサードのレギュラー争いに加わる可能性が高い。

 このほか、ソフトバンクを自由契約となった仲田慶介を育成選手として獲得した。昨季、二軍で打率.403をマークした“有望株”は、早期の支配下昇格が期待される。

 一方で気になる点も。チーム最多の28セーブをマークしたアブレイユが退団したこと。新外国人選手でリリーフ候補のウィンゲンター(前カブス)とラミレス(前ブルージェイズ)が後釜に座れるか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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