2025年パ・リーグの「球団別戦力」を3段階で評価! ソフトバンクと日本ハムの戦力差が縮まる!? 下位球団も“底上げ”に成功か?

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 プロ野球の各球団は、沖縄や宮崎を中心に春季キャンプを実施している。ファンとしては、オフの間に有効な補強をできた球団はどこだったのか、気になるところ。そこで、「ドラフトで指名した新人選手」、「FAや現役ドラフトなどの移籍選手」、「新外国人選手」、「既存戦力の退団」の4項目について、A、B、Cの3段階で評価したほか、総合的な戦力の診断を行った。なお、全ての項目において、来季以降の戦力ではなく、あくまでも今季の戦力になるかという点を評価ポイントとしている。前回のセ・リーグ編に続き、今回は、パ・リーグ編だ。【西尾典文/野球ライター】

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戦力低下が否めないソフトバンク、着実な補強が見られる日本ハム

<ソフトバンク>
総合評価:C
新人:B
移籍選手:B
新外国人:C
既存戦力の退団:C

 過去数年は他球団の主力を獲得することが多かったソフトバンク。このオフは、逆に主力が退団するケースが目立つ。総合評価はCとした。

 最も大きな戦力ダウンは、正捕手だった甲斐拓也がFAで巨人に移籍したことだ。昨季まで7年連続、100試合以上のスタメンマスクをかぶっており、存在感は絶大だっただけに、甲斐の抜けた穴を他の選手で埋めることは容易ではない。加えて、昨季7勝をあげた石川柊太も、ロッテにFAで移籍している。

 元日本ハムのエースで米国帰りの上沢直之(前・レッドソックス)や、浜口遥大(トレードでDeNAから移籍)、上茶谷大河(現役ドラフトでDeNAから移籍)と実績がある投手は補強している一方、セカンドで貴重な戦力となっていた三森大貴を、浜口との交換トレードで放出した補強戦略に疑問が残る。

 育成出身で昨年支配下に昇格した、左腕の三浦瑞樹と内野手の仲田慶介に対して、このオフに育成での再契約を打診したものの、両選手に断られた。三浦は中日、仲田は西武と育成契約を結び、ソフトバンクから離れている。

 現時点(2月7日時点)では、支配下契約となる新外国人選手を獲得しておらず、全体的に戦力が低下した感は否めない。

<日本ハム>
総合評価:B
新人:B
移籍選手:B
新外国人:C
既存戦力の退団:B

 昨年の山崎福也(オリックスからFA移籍)のような大きな補強はなかったが、戦力低下は見られない。中日から福谷浩司をFAで獲得。過去数年の成績を見ると、主力級の活躍は難しそうだが、先発とリリーフの経験がある。この点は、心強い。

 それ以上に楽しみなのは、現役ドラフトでソフトバンクから移籍した、捕手の吉田賢吾だ。一軍の実績は乏しいとはいえ、選手層が厚い二軍のソフトバンクで、昨季は79試合に出場し、打率.303、3本塁打、33打点をマークするなど、見事な結果を残している。

 ルーキーは、即戦力ではなく、将来性を重視した戦略をとったように見える。一方、新外国人選手は、将来性が評価された24歳の右腕、古林睿煬(前統一ライオンズ)が加入しただけで、評価はCとした。だが、昨季、終盤に見事な打撃を見せたレイエスの残留交渉に成功し、中継ぎのザバラと契約を延長した点は評価できる。今季に限れば、ソフトバンクとの戦力差は、確実に縮まっている。

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