「佐々木朗希」獲得に失敗…お家騒動が続く「パドレス」に欠けていたのは“フロントの安定感”か
朗希が“舌禍”!?
メジャーリーグではスプリング・トレーニングも始まろうとしているが、ニュースの主役はいまだ佐々木朗希(23)だ。
【写真】ファンイベントは大盛り上がりだったが…歓喜のパドレスファンと選手たち
「米メディアが必ず質問するのが、最初から両者に“密約”があったのかどうかです。代理人のジョエル・ウルフ氏(54)は改めて否定し、ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成部長も地元ラジオ局・スポーツネットLAに出演した際、強い口調で『絶対に違う』と訴えていました。佐々木のドジャースに入りが報じられたのは1月17日(現地時間)。彼の獲得を最後まで諦めなかったパドレスやブルージェイズは他の選手との交渉に影響が出てしまったので、それに対するファンの憤りもあるようです。特にパドレスの地元、サンディエゴのファンは、佐々木の“舌禍”に注目しているようで……」(米国人ライター)
佐々木がドジャーブルーの新背番号「11」のユニフォームに袖を通した入団会見でのこと。
“カンペ”も用意した佐々木は、山火事被害に遭っているロサンゼルス市民へのお見舞いを伝え、メジャーリーグへの憧れと「挑戦したい」という思いが抑えられなかった心境も明かした――ここまでは百点満点だったのだが、日米メディアと質疑に入ると、「NGワード」を口にしてしまったのだ。
「いろんな話をしたうえでドジャースがいちばん良かったと判断しました」
その回答に対し、「具体的に、ドジャースのどんなところが?」と質問が続く。佐々木はこう答えた。
「いちばんはフロントの安定感」
「ドジャースは選手補強に巨額な資金投資を続け、かつ若手も育っています。佐々木はそうした球団の運営力のことを言いたかったのでしょう」(前出・同)
佐々木の語った「安定感」は、「Sense of Stability」と訳されたそうだ。「Sense of Stability」には「仕事、会社経営の順調さ」の意味もあるが、人間関係が良好かどうかを問われたときにも使われるという。フロントの安定感――米メディアが真っ先に思い浮かべたのが、佐々木との交渉が始まったのとほぼ同時に露呈したサンディエゴ・パドレスの「お家騒動」である。
「佐々木との2回目の面談前、パドレスの前オーナー夫人、シール・サイドラーさんが『自身と息子たちで球団を経営していく』と、テキサス州の遺言検認裁判所に提訴しました。現在の球団運営陣に不満を唱え、球団の経営権を争っていくというのです」(現地メディア関係者)
訴え出たのは1月7日だが、その後、原告、被告双方とも裁判所からの呼び出しはないそうだ(2月5日時点)。
そもそも、パドレスが球団運営の安定感を失ったのは、前オーナーであるピーター・サイドラー氏が急死した23年11月に遡る。その後、ピーター氏の弟であるロバート、マシューの2氏を中心とした合議制で物事が決められてきた。しかし、シールさんには「自分たちは球団から遠ざけられた」という思いがあり、
「球団の展望は自分と息子たちに受け継がれている。佐々木の獲得交渉に私も加えてほしい」
といった内容の手記を地元紙の「San Diego Tribune」に掲載させていた。
「パドレスとの2回目の面談が行われたのは1月14日ごろ。ダルビッシュ有(38)や何人かの主力選手も同席しましたが、そこにシールさんもいたとの報道は一切ありません」(前出・同)
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