戦後80年…愛子さまと悠仁さまが抱く強い思い…「皇室と沖縄」の固い絆

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 天皇皇后両陛下は「戦後80年」となる今年、激戦地の沖縄県と被爆地の広島・長崎両県へのご訪問を切望されている。その背景には戦争を体験していない今上天皇の「先達の想いを継承していく」との強いご決意がある。宮内庁OBはこう話す。

「長女の愛子さまと、皇位継承順位第2位の悠仁さまという次代の皇室を担われるお2人の目に、世界の平和と安寧を希求される後ろ姿を焼き付けておきたいとの意図がおありなのではないでしょうか」

 皇室と沖縄。大きな節目の年に、その固い絆を紐解く。

「平和は人任せにするのでない」

 終戦を迎えた昭和20(1945)年の6月23日、国内で唯一地上戦が行われ、数多くの犠牲者を出した沖縄では抗戦の幕が下ろされた。この日は戦後、沖縄の“慰霊の日”と定められた。

 天皇陛下は平成27年2月の誕生日会見で、愛子さまについて、こう述べられている。

「戦後70年に関してのさまざまな企画には、自ら大きな関心を持ち、関連の展示などを一緒に見学した後には、新聞記事やテレビの特集番組などをいろいろ調べるなどして(中略)中学生としての自覚がいっそう高まってきたように思います」

 愛子さまご自身は28年8月、沖縄県から訪れた小中学生ら、計約60人の「豆記者」たちと東京・元赤坂で懇談されている。1時間にわたって1人1人と言葉を交わされ、終始和やかな雰囲気だったとされる。豆記者は昭和37年、沖縄の子供たちが取材活動を経験しながら本土の青少年と交流することを目的に始まったものだ。

 愛子さまは学習院女子中等科のご卒業に当たって、平成29年に記念文集へ寄せた作文で、こう綴られている。

「平和は人任せにするのではなく、1人1人の思いや責任ある行動で築きあげていくもの」

 令和4年の沖縄復帰50周年記念式典は、テレビでご視聴になり、天皇陛下から沖縄の歴史に関する本を借りて読み、理解を深められた。本は陛下が小学生の時に豆記者から受け取ったものであった。

 一方、秋篠宮家の長男・悠仁さまは5年11月、筑波大付属高2年の修学旅行で沖縄県をご訪問。糸満市の平和祈念資料館や、住民の避難壕で旧日本軍の陸軍病院分室にもなった南城市の自然洞窟「糸数アブチラガマ」を回られ、平和について学ばれた。

 これに先立ち平成25年12月には家族旅行で沖縄を初訪問。平和祈念公園では沖縄戦戦没者の名が刻まれた石碑「平和の礎」を見学されている。

「愛子さまと悠仁さまに、沖縄への強い想いが既に芽生えていることは間違いありません」(前出OB)

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