紅白で人気再燃の「B’z」 みなが気づいた「良いものは良い」というシンプルな真実
圧巻のパフォーマンス
人々の価値観が多様化して、テレビを見る人の数がどんどん減っている今でも、「NHK紅白歌合戦」は国民的な人気コンテンツであり続けている。ほかの番組と比べても視聴率は圧倒的に高く、その影響力は衰えていない。多くの日本人にとって、年末の風物詩として定着している状況には変わりがない。
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【24年前の貴重写真】自転車に乗り愛犬を散歩させる「B'z」稲葉浩志
昨年の「紅白」も例外ではなく、番組内でのさまざまな出来事がネットニュースになり、人々の間でも話題になった。中でも特に注目を集めたのが、デビューから35年以上のキャリアを持ちながら、今回が初出場となったB'zのパフォーマンスだった。
B'zは誰もが知るヒット曲を数多く持つ人気アーティストであり、彼らの「紅白」初参戦はそれ自体が大きなニュースだった。彼らはメインステージとは別のスタジオで連続テレビ小説「おむすび」の主題歌「イルミネーション」を披露した。
曲が終わり、彼らの出番が終了するかと思いきや、カメラは舞台を下りて手前側に歩み寄る彼らの姿を映し続けた。司会者一同も予想外の展開に戸惑う中で、司会者や観客がいるメインステージに「LOVE PHANTOM」のイントロが流れ、B'zの2人がサプライズで登場した。
その瞬間、観客の興奮は一気に最高潮に達した。「いらない何も捨ててしまおう」というおなじみのフレーズで歌が始まると、客席は沸き返った。メドレー形式で続けて「ultra soul」が始まった。この曲では「そして輝くウルトラソウル」という部分の後で観客が一斉に手を挙げて「ハイ!」と叫んだ。この掛け声で会場全体が一つになり、この上ない一体感が生まれた。彼らのパフォーマンスは突然巻き起こった竜巻のように激しく、そして熱狂的だった。
B'zが出演したことはすぐさまSNSなどでも大きな話題となり、彼らの音楽をあまり知らなかった人たちからも「これはすごい!」と絶賛の声が相次いだ。実際に「紅白」出演後にB'zのファンクラブの会員数が激増したというニュースもあった。稲葉浩志と松本孝弘の2人は、共に60代でありながら年齢を全く感じさせないエネルギッシュなパフォーマンスを見せて、その姿に日本中が圧倒された。
B'zは、1988年のデビュー以来、数々のヒット曲を生み出してきた。初のスマッシュヒットとなった「太陽のKomachi Angel」は、松本孝弘が作るキャッチーなメロディラインに、稲葉浩志のオリジナリティあふれる歌詞が乗っていて、たちまち話題を呼んだ。その後もヒットを連発し、オリコンチャートではシングル50作連続1位という未曾有の大記録を打ち立てた。彼らはリリースする楽曲だけでなく、ライブのパフォーマンスでも常に高い評価を受けており、観客を魅了し続けてきた。
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