豪邸以外の「3億円マンション」も発見! フジ・日枝久氏が確立した「お台場不動産王国」の物件一覧

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 おなじみの“目玉マーク”が描かれた、都内世田谷区に位置する介護付有料老人ホームの看板。入居時に最低でも約3000万円を求められ、月々30万円超の費用がかかるという高級老人ホームを運営するのは、株式会社サンケイビルウェルケア。テレビともラジオとも関係なさそうだが、フジ・メディア・ホールディングス(以下フジHD)の傘下企業だという。そして、これこそが目下窮地に陥るフジHDの「屋台骨」の一本だというのだが……。

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手堅い“不動産王”

 会長、社長の辞任や中居正広の引退、さらには週刊文春の「誤報」を経てもなお、フジテレビ周辺はにぎわしい。

 直撃取材を受けるフジテレビの経営陣らの自宅が、立地条件その他はさておき、見た目は一般的な住居に見えるのに対して、さすが長期間にわたって君臨しただけのことはあって、日枝久フジHD取締役相談役(87)の邸宅はレベルが違う。

 その豪華さについてはすでに報じた通りだが、それ以外に3億円超の高級マンションを都内に所有していたことが明らかになった。

 彼が不動産に固執するのは経営方針にも見て取れて、日枝氏が君臨するフジHDは、いつの間にか“お台場冒険王”ならぬ、手堅い不動産王となっていた。

 一連の問題が報じられた後、経営陣が社員らに「給料の心配はしなくていい」旨を語っていた背景にもこれら資産の存在がある。要するに、テレビ局の広告収入は、フジHDにとっては全体の一部に過ぎないのだ。そのため、グループについては、今やメディア企業と言い切れるのか、といった声すらある。

 公認会計士の川口宏之氏は、「週刊新潮」の取材に以下のようにコメントを寄せている。

「ホールディングス全体の売上高で見ると、8割近くがメディア事業収入ですが、営業利益でいうと、半分以上の54%が都市開発・観光事業なのです。観光事業を担うグランビスタホテル&リゾートでは、ここ2年連続で連結子会社化後の上期最高売上高と営業利益を更新しています。フジHDはフジの放送事業が丸ごと吹き飛んだとしても倒産することはないでしょう」

 株式会社サンケイビルはオフィスビルだけで24棟を持ち、傘下の株式会社グランビスタホテル&リゾートは、14のホテルのほか、4カ月で来場者100万人を突破したという「神戸須磨シーワールド」や、大浴場やドッグランを併設する足柄サービスエリア(下り)内の「足柄ハイウエイレストラン」など、22の施設を運営している。

「企業としてポテンシャルがあるから伸びている」

 こうしたことから、フジHDは、フジテレビが“中居問題“で揺れる中でも、株価が上昇傾向だという。年来1600円前後で推移していたのが、2月3日には2506円を付けた。さる証券ディーラーが背景を次のように解説する。

「企業としてポテンシャルがあるから伸びているんです。総資産約1兆4000億円の大企業で、約5300億円の不動産を手堅く運用する。しかもメディア事業の年間営業利益が約157億円なのに対し、都市開発・観光事業は約195億円です。利益率も高い」

 つまりは不動産企業として優秀だから、メディア事業で大けがしても大丈夫という結論。

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