コメ高騰で「台湾米」と「カルフォルニア米」が大人気という皮肉…備蓄米の放出が“効果薄”なら消費者の失望を買う結果に

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主食を他国に委ねる日本人

 甲信越地方で農業を営む男性は、「コメの高騰を放置することは、安全保障上の観点からも大問題です」と言う。

「そもそも私たち農家もコメの高騰を望んでいません。消費者にとって適正な価格でなければ買ってもらえません。買ってもらえないと、コメを作っても余ってしまいまいます。しかも私が住む地域でコメの価格上昇は収入増をもたらしていません。廃業するコメ農家は増える一方です。今の高騰が続けば、台湾米やカルフォルニア米の輸入がさらに増える可能性は高いでしょう。私は右翼でも左翼でもありませんが、日本が主食を外国米に頼るようになれば、カルフォルニア米を作るアメリカは大喜びするに違いありません。ただし、それでいいのかと国民の一人一人に問いたいですね」

 早ければ2月14日、農水省は備蓄米の放出量や時期について発表を行う。だが、中途半端な内容だった場合、消費者の理解を得られない可能性は高い。

「消費者にとってコメの適性価格は、やはり一昨年の水準でしょう。具体的には普通のコメで5キロ2500円から3000円、ブランド米で3500円から4000円というところです。価格が明確に下落するほどの量を放出すれば消費者は納得するはずですが、中途半端な放出で依然として4000円台をキープしてしまうと、消費者の失望は大きいはずです。さらに今夏もコメが不足すると予測する専門家も少なくありません。もし現実のものになれば、価格の高騰が続く可能性があります」(前出の記者)

 第1回【スーパーのコメが「5キロで5000円」の異常事態に…「新米が出回ればコメ問題は解決」と繰り返してきた「農水省」に批判殺到】では、農水省が「新米が出回れば高騰は収まる」と嘘の説明を繰り返してきた背景について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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