出張・旅行の際には覚えておきたい…睡眠のプロが教える「疲れにくい新幹線の座席」はどこか

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忙しい会社員こそ大切にしたい“睡眠”

渡辺:あと、やっぱり寝酒はダメですか?

ヒラノ:絶対にやめたほうがいいです。どんなにお酒が強い選手も、睡眠リズムが乱れます。

渡辺:いろんな選手を通じて、スリープトレーナーとしての経験値がどんどん溜まっていそうですね(笑)。

ヒラノ:球場によっても特徴があっておもしろいです。以前「パ・リーグの選手は札幌ドームへ行くと寝られなくなる」という話がありました。北海道は日照時間が短い上に、ドーム球場という屋内の環境で、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されにくい。しかも飛行機移動なので睡眠の質が下がりやすいという。

渡辺:寝具に関しては選手の好みも大きいですか?

ヒラノ:好みもありますし、競技などによっても合う合わないがあります。プロ野球選手はお尻が大きく、腰が浮きやすいため、マットレスはある程度クッション性が必要なことが多いです。あと利き腕が太くて長いピッチャーだと、枕の高さも変わってきます。

渡辺:日本人は睡眠時間が短いという話は有名ですが、一般の方も副業などもしながら働かなければならない世の中になると、睡眠ってより大事な問題になってきそうですね。同じ時間に朝起きて夜帰る人も減っているでしょうから。

ヒラノ:大事になってくると思います。働き方が多様化していますし、会社員でも残業などで生活が不規則な方は少なくないですから。日本の睡眠不足で経済損失が年間約15兆円とも言われていて、睡眠時間を増やして睡眠の質を上げることは、多忙な人ほど大切です。

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 記事前編で教えてくれたのは「朝食べるべき“おにぎり”」。体内時計を正常にしてくれるという「具」とは……。

ヒラノマリ
東京生まれ、ロサンゼルス育ちの帰国子女。アメリカから帰国した小学3年生のときに不眠症を経験したことから睡眠に興味を持つ。大学卒業後、大塚家具に入社。一般のお客様から、ホテル、保養所、大使館など、個人から法人までのベッドや寝室全体のコンサルティングを経験する。その後、日本で唯一のアスリートに特化した睡眠のパーソナルトレーナー「スリープトレーナー」として活動をはじめる。プロ野球選手をはじめ、メジャーリーガーの藤浪晋太郎投手、サッカー元日本代表選手、東京五輪・パリ五輪銀メダリストなど、国内外で活躍するトップアスリートの睡眠や寝具選びをサポート。また、外資証券会社、一部上場製薬会社、大手通信会社などで睡眠セミナーをおこなう。近年は、プロ野球・東京ヤクルトスワローズなどのスポーツチームおよび一般企業への睡眠セミナーなども数多く担当。TVや雑誌のメディアにも多数出演。著書に『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』(大和出版) 『スリトレ』(虹有社)がある

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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