「吉本芸人」と「オンラインカジノ」 過去には暴力団関連の博打で逮捕の“先輩”も
先手を打った吉本
《弊社所属の一部タレントにつきまして、コンプライアンス違反の疑いがあることが判明したため、現在、外部弁護士等を交え、事実関係を調査中でございます。/このため、事実関係等が確定するまでの間、一部タレントは活動を自粛することになりましたのでご報告いたします。/関係各所の皆様及びファンの皆様には大変ご迷惑とご心配をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。》
「吉本興業は名前を伏せていますが、その日のうちにダイタクの大と9番街レトロのなかむらがオンラインカジノで賭博をした疑いがあるとして警視庁から事情聴取を受けていることが報じられました」
ちなみに、吉本興業の公式サイトを見ると、吉本大のプロフィールには《趣味:パチンコ/スロット/ボートレース》、なかむら☆しゅんは《趣味:ギャンブル全般》とある。
確かに賭博は違法だが、初犯なら書類送検がせいぜいで、「50万円以下の罰金又は科料(常習の場合は3年以下の懲役)」である。ちょっと大事過ぎないだろうか。
「中居正広氏(52)の女性トラブルに端を発したフジテレビの大騒動で、コンプライアンスに対する世間の目は厳しくなっています。卓球の丹羽選手もプロ卓球リーグのTリーグから契約解除されました。海外でもドジャース・大谷翔平選手の通訳だった水原一平被告(40)に4年9カ月の禁固刑が言い渡され余計に注目されていますから、吉本興業としても先手を打った形なのだと思います」
思えば、吉本興業は昨年10月、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の斉藤慎二(42)が不同意性交容疑で書類送検されたため契約を解除したばかりだ。
「演歌『浪花恋しぐれ』ではありませんが、♪芸のためなら女房も泣かす、というのは昔の話ですからね」
芸のためなら
かつては「呑む・打つ・買う」の三拍子が揃った芸人は少なくなかった。
「吉本が創業されてから間もない戦前の頃には、興行中、芸人たちが花札賭博をしていたところに巡査が踏み込んできて拘留されたこともあったそうです。また、しゃべくり漫才の元祖と言われるエンタツ・アチャコの横山エンタツは、漫才師になる前に賭博で警察のお世話になったことがあったそうです」
1979年には落語家・月亭可朝が野球賭博で逮捕され、漫才コンビ「Wヤング」の中田治雄は野球賭博による借金苦から投身自殺している。また88年には「カウス・ボタン」の中田ボタン(76)が山口組系のサイコロ賭博に客として加わっていたことで逮捕された。いずれも吉本興業所属の芸人だ。
「今年で結成58年目を迎えるカウス・ボタンは、今ではそれもネタになっていますが、そんな時代も今は昔。コンプラが厳しい現代ではネタにもならない。折しも今年は大阪・関西万博が開催され、そのアンバサダーの一人がダウンタウンの松本人志(61)です。文藝春秋との裁判は取り下げたものの、中居問題もあってなかなか復帰できない状態です。吉本としては彼の復帰を万博の開幕に間に合わせたいという狙いもあって、厳しい対応をしているのかもしれません」
その万博会場の隣接地に、大阪府と大阪市が推進するカジノを含めた統合型リゾート施設の大阪IRを建設するというのも、なんだか皮肉な話だ。