石破総理もバックアップを宣言 5月に初開催「日本版グラミー賞」は「レコ大」を超える音楽賞となるか
レコ大の影響力は?
年明けから元タレントの中居正広氏(52)とフジテレビ騒動が連日、ニュースとなっているだけに、すっかり忘れ去られてしまった感があるのが、昨年12月30日にTBS系で授賞式が生放送された「第66回日本レコード大賞」(日本作曲家協会主催)の主要2部門の受賞者。
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大賞の受賞曲は人気バンド・Mrs.GREEN APPLE(以下、ミセス)の「ライラック」。ミセスは一昨年の「ケセラセラ」に続いて2連覇を成し遂げた。2連覇は史上9組目で17年、18年の乃木坂46以来となった。そして、最優秀新人賞は俳優の菅田将暉(31)の弟であり、昨年大みそかのNHK・紅白歌合戦にも初出場したマルチクリエーターの、こっちのけんと(28)が受賞した。
「一昨年までは、芸能界のドンこと周防郁雄氏(84)が率いるバーニングプロダクションが賞レースを仕切り、同社の番頭と言える社員が実質的に差配していましたが、一昨年のレコ大が近い時期にその社員は急逝。おまけに周防氏も体調不良で昨年、バーニングの会長職に退いたことが報じられました。そのため、第66回はTBSの担当プロデューサーが仕切っていました」(レコード会社関係者)
それでも生中継の平均世帯視聴率は、史上ワーストの平均世帯視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録した一昨年からV字回復し、11.2%を記録した。
「ここ数年のレコ大は、以前に比べてやたらと賞の部門を増やし、人気K-POPグループのILLITを新人賞候補に、事務所との契約トラブルで揉めるNewJeansを大賞候補に選んで生歌唱させるなど、幅広い世代の取り込みを狙ったことが、視聴率アップにつながったと思われます。しかし、相変わらず審査員は各スポーツ紙と一般紙の記者、TBSの系列局員など20人程度。当日の投票で公正に決まるはずの大賞と最優秀新人賞は、放送前に既に決まっているのではないかと長く指摘されてきたこともあり、かつてほど賞の権威はないと言ってもいい」(同前)
ひと昔前であれば、レコ大大賞候補の10組や、新人賞に選ばれれば営業の本数がとんでもないほど増えたり、レコードやCDの売り上げが伸びたりした。そのせいか、特に演歌歌手は大賞を受賞できなくても、候補の10組に入りたがったという。
「今は確実に歌唱力と集客力=実力のある歌手でないと生き残れなくなりました。レコ大に無縁でも、売れている歌手やバンドがいるのはそのためです。さらに、楽曲はCDを購入するのではなく、配信での視聴が全盛です。いまやレコ大に出ることのウマ味はほとんどありません」(スポーツ紙の音楽担当記者)
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