気取っている情けない中年男性…東京03・角田晃広 バカリズム脚本ドラマで「ドはまり役」
日常系SFコメディ
日本テレビのドラマ「ホットスポット」が評判になっている。2023年放送の話題作「ブラッシュアップライフ」でも脚本を書いていたバカリズムの書き下ろしの新作である。
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「ホットスポット」の舞台は富士山麓の田舎町。そこで小さなホテルの従業員として働くシングルマザーの遠藤清美(市川実日子)が、ひょんなことから宇宙人と遭遇してしまったところから始まる日常系SFコメディだ。宇宙人が違和感なく一般人の日常に溶け込んでいる様子が、静かなおかしみを醸し出している。
このドラマの中でひときわ輝いているのが、宇宙人であることを隠してホテルで働く高橋孝介を演じる東京03の角田晃広だ。高橋は遠藤に宇宙人であることを知られてしまい、そこから特別な能力を生かして人助けをすることになるのだが、遠藤とその友人たちには軽く扱われてしまう。
本人は真面目に物事に取り組んでいるのに、なめられて空回りしてしまう感じが、演じ手である角田のキャラクターに似合っている。
角田は芸人としての活動のかたわら、俳優として多くのドラマや映画に出演してきた。NHKの大河ドラマ「いだてん 東京オリムピック噺」に出演した頃から、徐々にその活動が本格化していった。ドラマ「半沢直樹」「大豆田とわ子と三人の元夫」、映画「怪物」などの話題作に次々に出るようになり、俳優としての地位を確立した。
角田が世に知られるきっかけとなったのは、東京03が2009年の「キングオブコント」で優勝したことだ。コント日本一を決める大会でチャンピオンになったことで、彼らの面白さが一般層にも広まっていき、それぞれのメンバーがテレビなどのメディアでも活躍するようになった。
東京03の持ちネタは基本的にコントである。彼らが作るコントには、非現実的な設定が少なく、我々の日常生活で実際にあってもおかしくないような状況が題材とされる。そして、コントの序盤で起こるちょっとした出来事がきっかけになって、気まずい空気が生まれたり、波乱に満ちた展開が待ち受けていたりする、というのが典型的なパターンである。
ボケとツッコミのような役割が決まっているわけではないが、各人のキャラクターはかなり明確に分かれている。角田が慌てやすいお調子者、豊本明長が落ち着きあるマイペース人間、飯塚悟志が騒がしい仕切り屋という感じの役回りを演じることが多い。それぞれ、少しずつ誇張されてはいるが、現実にいてもおかしくないような親しみの持てるキャラクターばかりである。
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