「NHKの峰不二子」中川安奈アナ フリー転身で高まる「目立ちたがり」の声がお門違いのワケ
3月末をもってNHKを退社し、フリーに転向することが判明した中川安奈アナ(31)。昨年7月のパリ五輪の開会式の中継の際、白いジャケットの下に来ていたベージュのインナーが肌と同化しているように見え、「何も着ていないのでは」と物議をかもしたこともあった中川アナの将来性について、ライターの冨士海ネコ氏が分析する。
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【写真12枚】中川安奈アナの「何も着てない」疑惑の一枚 Instagramには“体のラインくっきり”な「ぴたぴたニット姿」が大量に投稿されていた
やっぱりフリーになったか、との声が相次いだNHK中川安奈アナ。NHKっぽくない「ザ・陽キャ」な容姿やファッションセンスで話題となり、型破りな女子アナとして良くも悪くも注目されていただけに、フリー転身はあまりに女子アナの常道過ぎてつまらない気もする。
しかし今フリーになるというのは、相当な覚悟が必要だっただろう。なにせ女子アナを見る世間の目は、フジテレビ騒動によって複雑な色を呈している。仕事の便宜を図ってもらうための「上納」要員にされているのでは、という疑いは、来月の第三者委員会による報告で否定されるまで完全に払拭できないに違いない。現場の女子アナたちが必死に否定する一方で、OBアナやフリーアナによる被害告白も注目を集めている。女子アナをアイドルのように扱うテレビ局の文化は長く根付いており、フジテレビ騒動は業界における氷山の一角だと見ている人は少なくないだろう。
ただ、女子アナたちは単純に「被害者」と見られているわけでもないようだ。業界にはびこるルッキズムの恩恵を最大限に活用して、得してきた側ではないのか、という指摘は絶えない。
確かに、在局中からバラエティーで活躍し、30歳手前でフリー転身、退社後にグラビアや女優デビューという女子アナは目立つ。そしてトーク番組で芸人にイジられ、数年もしたらどっかの社長かタレントと結婚。それが東京における“女子アナ双六”だと思っている視聴者は多いことだろう。
自身の女性性を武器に成り上がる女性がいることと、女性性の搾取によって業務が左右されることが常態化していることとはまた別の問題だが、女子アナとしての「成功」キャリアにあまりにバリエーションがないために、「女子アナ自身はこの業界構造を変えたいとは思っていないのでは?」という臆測を呼んでしまうのは無理もない。
中川アナに関していえば、自分の女性性には多少なりとも自覚的なアナウンサーであったとはいえるだろう。2015年のミス慶應ファイナリストからNHKに入局という経歴もさることながら、NHKアナらしからぬボディラインを強調した服装で話題となった。そしてパリ五輪開会式での「服を着ていないように見える衣装」によって一躍時の人に。私はゴールドにしか見えなかったし、目立ちたいというよりは日本選手の金メダル祈願にかけた服選びというあざとさにうなったものだが、世間でも賛否が分かれていたことを思い出す。
瞬く間にネットニュースは反発コメントで埋め尽くされたが、本人はどこ吹く風。幼少期を過ごしたプエルトリコで培った「ラテンのノリ」か、明るく肝の座った進行で五輪キャスターという大役を務め上げていた。それだけに、フリー転身後も容姿だけの女子アナとして消費されてはもったいないと、今から心配するファンもいるようである。
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