立ち食いそばチェーンが「イカ天」販売終了の衝撃…不漁やインフレで価格高騰「もはや高級魚」の声も

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イカの次に終売するのは?

「専門家は価格高騰の原因を不漁と分析しており、高騰はマスコミも報じています。日テレNEWSが2020年12月、『庶民の味方イカ高騰“タイ”並みに なぜ?』の記事を配信しました。他にも昨年9月にテレ東BIZ、今年1月にFNNプライムオンラインが極端な値上がりを伝えました(註1、2)。総務省が調査しているのは小売価格で、小諸そばの仕入価格はそれより安かったでしょう。しかし高級和食店、寿司屋、天ぷら店、中華料理店などがイカの争奪戦を繰り広げています。またインフレで油、小麦粉、卵も値上がりました。イカを適正価格で入荷し、イカ天として適正な価格で販売できなくなったのは当然だと言えます」(同・記者)

 ちなみにイカにはアオリイカやヤリイカなど様々な種類がある。関東地方の立食い店で天ぷらに使われているのはスルメイカとアカイカが多い。詳細は割愛するが、スルメイカは5年間で1・5倍の値上げ、アカイカは価格の上下動が激しいが、2022年1月と23年3月の卸売価格を比較すると3・16倍の値上がりとなっている。

「もともとそばもうどんも庶民的な食べ物で、特に駅の立食い店は安価で美味しいところに魅力がありました。イカ天は老舗の高級店ではあまり供されない種物ですが、だからこそ人気だったのです。それが価格の高騰でメニューから消えてしまうわけで、世界中で様々な食材の奪い合いが加速していることを考えると、立食いそばやうどんの販売価格が上がるだけでなく、他にもメニューから消える食材が出ても不思議ではないと思います」(同・記者)

註1:スルメイカ不漁...データを活用した新たな漁業でいかに獲るか?【WBSクロス】(テレ東BIZ:2024年9月30日)

註2:寿司店主「もう高級魚」イカが高騰し高級魚“タイ並みに”…1杯1000円台も イカセンターの“イカ釣り”も中止 クロマグロの増加が原因?(FNNプライムオンライン:1月20日)

デイリー新潮編集部

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