ヤンキースが水面下で進める「大物日本人選手」獲得作戦 名門復活の切り札は「第2の松井秀喜氏」か

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ついに出たオーナー批判

 伝統球団の誇りと威厳を取り戻すには、村上宗隆(25)を獲るしかない。

 1月28日(現地時間)、ヤンキースファンに向けた野球情報が掲載されている「Yanks Go Yard」が、オーナーのハル・スタインブレナー氏をあからさまに批判した。

「ニューヨーク・ヤンキースは球界最高峰のフランチャイズであり、もっとも成功した歴史を持つ球団である。そのことに異論を唱える者はいない。しかし、ロサンゼルス・ドジャースが今日のような球団運営を続け、ハル・スタインブレナーがオーナーでいる限り、ヤンキースが球界トップに再び君臨することはないだろう」

 繰り返しになるが「Yanks Go Yard」はヤンキースを応援しているメディアだ。主力選手が不振に陥った際、批判記事を載せることもあるが、その論調はあくまで「応援しているから、チームに勝って欲しいから厳しいことも言わせてくれ」というスタンスだった。では、今回はどうか。酷評の内容もそうだが、有名選手や監督ではなく、球団トップのオーナーにそれが向けられたのは初めてではないだろうか。

「『Yanks Go Yard』が批判記事を出す数時間前、地元ニューヨークにある放送局『YES Network』がスタインブレナーオーナーのインタビューをオンエアし、さらにそのコメントを記事にしてネット配信しています。『Yanks Go Yard』の批判記事は、オーナーインタビューを受けて作られたものです」(米国人ライター)

 気になるインタビューの中身だが、注目すべきは今オフ、佐々木朗希(23)の獲得にも成功したドジャースについて。近年、選手補強に巨額な資金を投資している。そんなドジャースのやり方について質問を受けた同オーナーは、

「同じようなことはできない。(巨額な資金投資も)するつもりもない」

 と答えた。その回答に「Yanks Go Yard」が落胆し、オーナーを叩いたというわけだ。

「24年オフの最優先事項は好打者のホアン・ソト(26)の慰留でした。それに失敗した憤りも地元では重なったのでしょう」(現地記者)

 補強に大金を投じたからと言って、必ずしも勝てる保証はない。スタインブレナーオーナーはそのことを言いたかったのかもしれないが、こんな意見も聞かれた。

「ドジャースが補強に大金を投じる理由として、大谷翔平(30)のようなスーパースター選手の存在が挙げられます。大谷獲得後、日本を拠点とするスポンサーを12社も新たに獲得しており、その増収分は彼の正規年俸分に相当する7000万ドル(約109億円)だと言われています。また、ドジャースのスポンサー収入増はビジターチームにも恩恵を与えました。衛星放送を含むテレビ中継の放映料、新たな球場広告などが増え、他29球団に総額1500万ドル(約23億3000万円)をもたらしています」(前出・同)

 伝統球団であるヤンキースには、米球界の牽引役でもあってほしい――地元ファンのそんな思いが、批判記事には込められていたのだろう。

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