「辞める気は全くない」とフジ関係者 日枝氏、ダルトンと戦う気満々 「権力欲」の源泉とは

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次期社長候補は

 次の社長は日枝氏が選べないだろう。社内では次期社長候補の名前が挙がり始めた。なお、清水現社長は就任時から暫定とされている。

 まず元フジ社長で現在はBSフジ社長の亀山千広氏(68)の名前が一部で挙がっている。

 ほかの候補はいずれも日枝氏と距離があり、剛腕の持ち主ばかり。まずFMHの稼ぎ頭であるサンケイビル社長の飯島一暢氏(78)。三菱商事出身で同社の衛星通信事業を手掛けていた。

 1997年にフジ入り。2005年のライブドアによる買収騒動では企画調整局長として防戦に当たった。金光修FMH社長の元上司。

「抜群に頭が切れて、腹も据わっている。フジの色が薄いところもいい」(フジ関係者A)

 杉田成道氏(81)の名前も挙がっている。「北の国から」(1981年)の演出家だ。人格者として知られる。倉本聰氏(90)の親友でもある。経営者としては日本映画放送の業績を伸ばした。「杉田さんが社長になってくれたら、みんな張り切る。社内がまとまる」(フジ関係者B)

 太田英昭氏(78)は元FMH社長、産経新聞会長。社内外で剛腕として知られたが、日枝氏と対立して放逐された。文芸評論家の故・福田和也氏と親しかった。「そもそもフジの社長になるべき人だった。なれなかったのは日枝氏がイエスマンしか重用しないことを象徴している」(フジ関係者A)

 重村一氏(80)は元編成局長で現在はニッポン放送監査役。「日枝氏と衛星放送についての意見が対立し、外に出された。誰もが社長になると思っていた」(フジ関係者B)

 日枝氏がいかに人材を潰してきたかが分かる。若い世代は日枝色に染まりきっているため、人材を探すのが難しいようだ。その分、後任はフジを立て直すまでの短期政権になるだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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