M-1準優勝「バッテリィズ」がブレーク寸前 ボケ担当・エースが単なる「無知」で終わらない理由

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草野球でバッテリー

 昨年末の「M-1グランプリ」で準優勝したお笑いコンビ・バッテリィズの2人が、今どんどんメディアに出演していて、ブレーク寸前の状態にある。

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 バッテリィズは、エースと寺家の2人組。それぞれ別々のコンビを組んでから解散して1人になっていた時期に、たまたま草野球でピッチャーとキャッチャーのバッテリーを組むことになり、それがきっかけでコンビを結成した。バッテリィズというコンビ名もそこに由来している。

 彼らの漫才の売りはボケ担当のエースの明るく無邪気なキャラクターである。ネタの中では、寺家がさまざまな分野の知識を教えようとする。エースは話題そのものには食いついて興味を示すのだが、知識が足りないために絶妙にピントが外れた受け答えをしてしまう。

「世界遺産」をテーマにした漫才では、定番の観光地であるスペインのサグラダ・ファミリアに行くことを勧められるのだが、140年も建設中でまだ完成していないと知ると「なんで俺、スペインまで行って工事現場行かなあかんねん。人足りてないから働かそうとしてるやろ!」と怒り始めた。世界遺産をただの「工事現場」と言い切ってしまうところに、エースの大ざっぱで向こう見ずなキャラクターが体現されている。

 タージ・マハルの話題が出ると「なんで俺、知らないやつの墓参り行かなあかんねん!」と言い、ピラミッドも墓であると聞かされると「もうええって! 行かへんって墓参りは!」とあきれてみせた。

 ただ、エースのキャラクターが単なる無知な人間というだけだったなら、あれほど高い評価を受けることはなかっただろう。漫才の中では、その裏に人間的な優しさが感じられる箇所があった。

 昔の偉人の墓が大きいのはそれだけ偉大だからだという話をされて、自分の祖父の墓が小さいと語るエースは「俺のおじいちゃんもおもちゃいっぱい買ってくれたから! 俺のおじいちゃんも偉大やから!」と返した。その無邪気な一言は単に笑えるだけではなく、爽やかな感動をもたらした。

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