安藤優子さえも「知らない」フジテレビ社内力学の難しさ 「自浄作用」を阻む「意外な要素」とは

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 中居正広の女性トラブルに関連して、女子アナの“上納”疑惑などが問題視されるフジテレビ。この問題について、キャスターの安藤優子(66)は「性を伴う接待とかは、30年近くやってきたけど一度たりとも現認したり居合わせたり、うわさすら聞いたことはない」とコメントしているが、ライターの冨士海ネコ氏は「問題が見えにくい理由として、局アナたちの“野心”が利用されてきた側面があるのでは」と指摘する。

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 10時間を超える記者会見でサンドバッグにされた後、「週刊文春」の訂正報道によってフジテレビにも同情の声が上がり始めた。現役アナウンサーだけでなく、他局でコメンテーターやキャスターを務めるOGたちも心苦しい心情を明かしていただけに、ほっとしているのではないか。

 ただ、まだまだ状況は複雑だ。「女性社員の上納」文化が常態化していたのではという疑いについても、第三者委員会の調査報告を待つよりない。

 関係者の発言に注目が集まる中、「ワイドナショー」(フジテレビ系)で「性を伴う接待とか、30年近く一度たりとも現認したり居合わせたり、話を聞いたり、うわさすら聞いたことない」と断言したのが安藤優子さんである。フリーのキャスターながら「ニュースJAPAN」「FNNスーパーニュース」で、30年にわたり“フジテレビニュースの顔“を務めている人だ。その安藤さんが「うわさすら聞いたことない」と言い切るのだから、今回のケースはフジテレビの中でも特殊な状況下で起きたことなのかもしれない。

 一方で、過去の局アナたちへの演出を見ると、女性の扱い方についての社内意識はどうだったのか疑問に思ってしまう部分もある。安藤さんの少し下にあたる長野智子アナは、「オレたちひょうきん族」で芸人に胸をもまれたりスカートの中に頭を入れられたりしていた。安藤さんと仲良しだという木佐彩子アナは、自身は野球選手と結婚していながらも、後輩の内田恭子アナに「野球選手との飲み会には行かなくていいよ」と助言したという。そういえば大谷翔平選手の結婚時には「女子アナじゃなくて良かった」というワードがトレンドになったが、人気野球選手の取材には必ず脚や胸の形が出る服装の女子アナが送り出されていたものだ。元フジテレビでアナウンサーを務めていた長谷川豊氏も、会食の席で女性社長にセクハラを受けたことがあるという。

 性接待とまでは呼べないかもしれないもが、セクハラじみた「業務」はあったのでは。それともあくまで番組の中だけで、外では守られていたのだろうか。安藤さんほどのジャーナリストなら、仕事は能力についてくるものであって、女性性は関係ないと言い切れるのかもしれない。けれどもさして実績を積んでいない新人や若手社員だとしたら、そこまで突っぱねられるものだろうか。迷いながらも、その場のノリを受け入れてしまうこともあったとしてもおかしくない。上昇志向の強い人ならなおさら。そしてこうした社員、特に女子アナたちの「野心」が、安藤さんの耳にすら入らない、自浄作用が働きにくい一つの要因となっているのではというのは考え過ぎだろうか。

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