「清澄白河がカフェの聖地に!?」と驚愕 作家・日野瑛太郎が「東京の中の故郷」と呼ぶ街の変化…実際に見に行ってみると

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街の緩やかな進化に安堵

 それで昨年、久しぶりに清澄白河に行ってみることにした。

 駅の出口を出ると、当時とは景色が一変していた──なんてことはなく、そこには20年前とあまり変わらない清澄白河があった。

 もちろん、なくなってしまったお店も少なくないのだが、街の雰囲気は当時とほぼ変わっていない。寺の多さは相変わらずだし、道行く人も親切そうだ。たしかにおしゃれなカフェが増えてはいるが、それらはうまく街の雰囲気に溶け込んでいた。

 どうやら清澄白河は、下町っぽさを温存しつつ、同時にカフェの聖地にもなる道を選んだらしい。

 街の緩やかな進化に安堵した僕は、とりあえず目についたカフェでコーヒーを飲んでみることにした。

 コーヒーはとても、うまかった。

日野瑛太郎(ひの・えいたろう)
1985年茨城県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。『フェイク・マッスル』で第70回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。

デイリー新潮編集部

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