「DeepSeekショック」で欧米は大混乱も…開発に参加した「95年生まれのAI天才少女」は「約2億円での引き抜き」報道

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なにもかもが素朴で年相応

 中国テック業界は早くから羅さんに注目していた。以上の経歴も数年前に彼女自身が明かしたものだが、今回の引き抜き報道とDeepSeek旋風によって掘り起こされ、「地方都市からトップ開発者へ」のシンデレラストーリーとして再び話題を呼んでいる。

 彼女が学生時代を語る過去の動画も好感度アップに貢献している。成功者によくみられる張り切った演説のような話し方ではなく、メイクや服装もバリキャリとは程遠い。なにもかもが素朴で年相応なのだ。学力が高いことは当然だが、くじけそうになっても努力して、家族の励ましを受けながら粘り強く道を探したという点ではごく普通の若者である。

 彼女自身もそんな自分をわかっているようで、以前から自身の神格化に否定的だったという。そして近頃、彼女に関するメディアの問い合わせに対応しているのは、企業でもエージェントでもなく高校時代の恩師。恩師は昨年末、羅さんがXiaomiへの転職をまだ検討中であることと、自身が「過大評価されている」と語った事実などを明かした。

 1月29日に春節(旧正月)を迎えた中国で、「95後AI天才少女」は景気がいい話題としてもぴったりだった。春節休暇が終わった今は、Xiaomiへの移籍を含めた彼女の動向に関心が寄せられている。

デイリー新潮編集部

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