フジテレビに街宣車がやってきた! 社員たちに蘇った“14年前の悪夢”「デモ隊まで襲来したらこの会社は終わる」

国内 社会

  • ブックマーク

「フジテレビ前でデモが行われる可能性があります」。先週末、社内を駆け巡った情報を聞いてフジテレビ社員たちの脳裏によぎったのは14年前の“悪夢”だった。「またあんな騒ぎになったら、いよいよこの会社はおしまいだ!」。社員たちは口々に悲鳴を上げたというが、実際はどうなったのかーー。

 ***

数千人がフジテレビを取り囲んだ「あの日」

 1月31日、総務局から関係各所に入ったメールは瞬く間に広がり、社員たちを震え上がらせた。

「メールには『日曜日(2月2日)に出社する社員に対して午後2時からデモ隊が来るかもしれないから、出社する際には気をつけるように』と書かれていた。『湾岸署にも警戒を依頼しているが参加人数は予測できない』などと不安を煽るような内容でした」(40代社員)

 それから社員たちの間では「ヤバい」「終わった」といったLINEが飛び交ったという。

「全社員の頭によぎったのは、2011年に保守系団体の呼びかけで発生した抗議デモです。『フジテレビは韓流人気を誇張した放送をしている』とネット上で批判が沸き起こったことがきっかけでした。振り返れば、あの時からこの会社の転落が始まったのです」(同)

 抗議デモは複数回にわたって行われ、一番大きい時でフジテレビ本社前に数千人が集結した。その後、スポンサー企業の不買運動にも波及し、韓国人女性タレントを起用していた企業に活動家が押しかけ脅迫容疑で逮捕者が出る事件にも発展。このデモ騒ぎをきっかけにフジテレビの視聴率は下落していった。「視聴率3冠」から転げ落ち、「振り向けばテレビ東京」と揶揄されるほどに至った。

杞憂に終わったが「不安は消えない」

 はたして悪夢は再来したのか。

 保守系団体がネットで告知していた午後2時にお台場に行ってみると、街宣車が2台フジテレビ正面玄関前に横付けされていた。〈フジテレビ解体〉などと書かれた緑色の幟や日の丸が掲げられていて物々しい雰囲気である。

 だが、参加人数は10数人と小規模。リーダーの男性がマイクを握って「女衒のようなテレビ局によって日本がおかしくなった!」などと叫び続けたが、聴衆はまばらで、ほとんどが警備や警察関係者に見えた。

 社員らの不安は杞憂に終わったわけだが、引き続き警戒は怠れないと前出の社員は話す。

「どうやら今回は警察に集会やデモ開催の申請をしていなかったから不発に終わったようです。だが、彼らが準備を整えネットに火をつけた上で再び襲来したらどうなるかわからない。今ならあの時と同じよう、社会に不満を持つ層の矛先が一気にフジテレビに向きかねません」(同)

次ページ:攻勢を強める「イット」に対して「もうやめてくれ」の声

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。