“トー横”“コミケ”界隈で被害続出…「ハイテク新紙幣」発行も令和の若者が「ニセ札」「ニセ紙幣」にダマされてしまう根本的な原因

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キャッシュレス化の進行の影響か

 500ウォン硬貨はまだしも、最初に紹介したトー横キッズの100億円札などは偽札ですらない代物であり、作りもきわめてチープで紙質も安っぽい。気を付けていればわかるのではないかと思う代物だ。いくらなんでも自分は騙されない、と思う人も多いだろう。しかし、令和の時代、誰もが騙される可能性は十分にあると筆者は考える。

 それは、キャッシュレス化が進み、人々が日常的にお金に触れる機会がなくなっているためだ。コンビニでも喫茶店でも、人々は当たり前のようにキャッシュレス決済を行っている。お札やコインを日常的に手に取らないため、手触りや質感がわかっていない人も多いのではないか。ましてや、新紙幣に搭載された新たな偽造防止技術も、周知されているとは言い難い。

 どんなに国立印刷局が優れた偽造防止技術を開発しても、それを知らなければ真贋を見分けることなどできないし、チープなおもちゃをお札と思って受け取ってしまうのだ。むしろ、これは昭和の時代では考えられないことである。偽札を受け取らないためにはどうすればいいのか。結局、紙幣を手に取ってじっくり観察し、質感などを含め、覚え込むしかないのだろう。

取材・文=山内貴範

デイリー新潮編集部

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