「葉酸摂取で医療費が全国最低水準に」 92歳の現役栄養学者が教える超健康法 「信仰心、ヨガや気功なども長寿に関係」

ドクター新潮 ライフ

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寿命の回数券

 こうして私が日々取り組んでいる運動は、体を構成する細胞の染色体の端にあり、「寿命の回数券」とも言われるテロメアという構造にも影響を与えます。テロメアは、生まれた時に約1万塩基対あり、年を重ねて細胞分裂を繰り返すことで短くなっていき、約5000塩基対になった時点で寿命が尽きるといわれています。つまり、テロメアが長ければ長いほど、長生きできるというわけです。

 そしてテロメアは、過激な運動によって短縮すると同時に、高齢者が安静にし続けることによっても短くなると考えられています。そのため、激しくはない適度な運動が、健康長寿にとってはとても重要なのです。

 適度な運動をするためにも、エネルギーなどの源である食事が健康長寿の礎となることは言うまでもありません。

四つの栄養群

 まず、朝食がとても大事で、これは科学的にも証明されています。国立教育政策研究所が小中学生を対象に行った調査では、朝ご飯を食べる頻度が高いほうが学力試験の成績が良いことが明らかになっています。また、朝食を取らなかった場合は、取った場合と比較して、時速70キロ超での車の運転において事故率が5倍に増えるとの実験結果も報告されています。

 では、どんな食事をするべきなのか。結論を言えば、バランスの良い食事に尽きます。具体的には次の四つの食品群を摂取することが重要です。

1群:卵、牛乳・乳製品

2群:魚介類、肉、豆・豆製品

3群:野菜類、きのこ類、海藻類、芋類、果物

4群:穀類、砂糖、油脂、嗜好品、種実類

 とりわけ忙しい朝は、冷凍食品や前夜の残り物などを活用し、手軽に食べられるものでも構わないので四つの食品群のバランスよい摂取を意識してください。例えば、かつて私が一人で生活していた時に自炊していた朝食メニューはこんな感じです。

・ご飯(4群)

・目玉焼きと牛乳(1群)

・野菜入り味噌汁、浅漬け、海苔、納豆(2群と3群)

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